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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

「美しき少年の理由なき自殺」から「無意味」と「非意味」の大いなる違いを学ぶ 

宮台真司の著書で「美しき少年の理由なき自殺」というのがある。

熱心な宮台読者である大学生の自殺をきっかけに書かれた著書です。

その中である対比が登場する。
自殺した大学生と、その友人です。
自殺した大学生が中性的な男の子で頭が良くモテるのに対し、その友人は頭が良くモテてワイルド系です。

自殺した方は「人生はそこそこ楽しい。でも世界は無意味だ」という考え。
ワイルド系は「世界は無意味だ。でも人生はそこそこ楽しい」という考え。


ワイルド系はカリスマ性があるらしく、いろんな人が慕って集まってきます。
安心感がある。


この著書を読んでから、漠然とですがこの友人の方を目指すようになった。
風貌をワイルドにする、ってんじゃなく。

悠然としてる感じというか、達観してる感じというか、宮台風に言うと「酋長的」になろうとしてきた気がします。

何も無理してそっちにシフトチェンジしよう、って決めたわけじゃなくて、この二人のどっちに近いかと考えたところ、酋長系かな、って気がしたので。


宮台真司はニーチェの言葉を持ち出します。
「世界は無意味だ、と口にする者は、『世界は無意味、という意味』にすがっている」と。
世界の無意味さを確認せずにいられないメンタルの持ち主は、まだまだ「意味の牢獄」に幽閉されています。


宮台真司がよく言うのは「無意味」ではなく「非意味」だと。
意味が無いんじゃなく、意味じゃないんだ、と言います。

例えば、ぽへぇ~と流れ行く雲や川を眺めることに意味なんかありません。
天気予測をしてるのでも川の水質を調べてるのでもない。
ただ見てるだけです。

見たいから見てる。
見なきゃいけないから見てるわけでも、見ることで利益が生まれるから見てるわけでもありません。

人生も一緒。
人生に意味が無いからって、それがどうしたというのか。
意味があろうと無かろうと、おもしろいもんはおもしろいです。


おもしろがってる人に人は集まる。
おもしろそうだからです。
酋長的振る舞い。
どんよりした人物に人は近づこうとしないですからね。


「美しき少年の理由なき自殺」を読んだのはもう何年も前ですけど、酋長に近付いてるんだろうか。

テーマ: 日記 - ジャンル: 日記