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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

映画「海を飛ぶ夢」嘱託殺人と自殺 

嘱託殺人というのがある。

頼まれて殺した、というやつですね。
例えば、自殺したいけど体が不自由で自殺できない人がいるとします。
その人に「死にたいから殺してくれ」と頼まれ殺す。

ここに「自殺問題」があります。
自殺とはなにか。
自殺したいのに物理的にできない場合はどうすればいいのか。

映画「海を飛ぶ夢」では、体を動かせない主人公が自殺をするための物語だ。
魅力的で周囲に人が集まってくるような人物の主人公は、事故で首から下が動かせなくなる。
明るく振る舞っていて楽しく生きているように見えるが、著しく尊厳が傷付けられていた。
自殺するために支持者を募り、嘱託殺人を分散させることで「これは嘱託殺人ではなく、偶然薬物を飲んだのだ」とした。

つまり、飲み物を用意する人。それに薬を入れる人。それを混ぜる人。それを主人公の口の位置に置く人など、手順を分ける。
だから嘱託殺人ではない、と。

嘱託殺人と自殺の大きな違いは、他者が存在するかどうかでしょう。
自殺は自分で自分を殺す。
嘱託殺人は誰かが自殺志願者を殺す。

殺人者は生き残ってしまいます。
人を殺した、という重荷を背負うことになる。
どこまで事故を装っても「殺してしまった」という思いは残る。


少年が父親を殺したという事件がある。
献身的な介護をするも、父親に頼まれて殺したと。
一方向から見ると、自殺を認めないような社会だからこそ殺人者を生み出してしまった、と言える。

「命について考えよう」とほざく奴らが多いが、どこまで考えているのか。
自戒の意を込めて批判してみた。
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テーマ: モノの見方、考え方。 - ジャンル: 心と身体