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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

乃木坂46の『魔法少女まどか☆マギカ』的極悪システムについて 

■ 「公式ライバル」という悪魔のような呪縛 AKB48・乃木坂46×ももいろクローバーZ・UFI論


AKB48の公式ライバルとして乃木坂46がデビューした。

評論家の宇野常寛氏はAKB48を「ゼロ年代的バトルロワイアル」と評している。
その論を進めてみたい。


「公式ライバル」という言葉に秋元康の極悪なシステムが組み込まれている。


ご存知の通り、AKB48は「総選挙」「じゃんけん選抜」が一大イベントとなっております。
宇野常寛風に表現すると、無理矢理バトルロワイアル形式の戦いに投入し、そのシステムを楽しむものです。

メンバー同士で潰し合いをさせ、勝者を決めることを楽しむというよりも、その潰し合い自体を楽しむ。
そして戦闘システムを変えることで容易に順位が変わってしまうことを「じゃんけん選抜」で表現する。


そこに乃木坂46が登場しました。


■ 『魔法少女まどか☆マギカ』と乃木坂46の抜け出せない世界システム


乃木坂46AKB48「公式ライバル」という位置にいます。

この残酷なシステムは、『魔法少女まどか☆マギカ』の魔法少女システムに通じている。

『魔法少女まどか☆マギカ』の残酷なシステムについて説明します。
作品のネタバレを含むので、ご了承の上お進みください。



少女が魔法少女となる契約をすると、ひとつ願いを叶えてもらえる。
だが少女たちにはある情報が隠されていた。

魔法少女になるということは、魂を宝石に封じ込められ、肉体を失うことを意味した。
さらに魔女を倒すために魔法少女になった彼女たちだが、実は宝石に邪気が蓄積していくと、やがて魔法少女自体が倒すべき魔女へと変貌してしまう。
いままで倒してきた魔女は、かつての魔法少女たちだったのだ。

魔法少女が魔女化する際のエネルギーが宇宙の秩序を安定させる。
果てしない時間の中のほんの一瞬の輝きである少女時代を犠牲にし、宇宙の秩序を安定させることに意味はあるのか。


魔法少女になる契約をしたほむらは、まどかの願いを叶えるために何度も時間を繰り返し、まどかが魔法少女にならずに済む世界を目指す。
だがほむらが時間を繰り返せば繰り返すほど、まどかにエネルギーが蓄積していて、魔女化した際に莫大なエネルギーを生むことを知る。
まどかはすべての魔法少女を救うため、最強の魔法少女となり、自らを犠牲にして極悪なシステムを解放する。


以上が『魔法少女まどか☆マギカ』のストーリーです。



ではAKB48乃木坂46に当てはめて考えてみましょう。


■ 「公式ライバル」という矮小化されたシステム


乃木坂46になる契約をした少女たち。
AKB48を倒すためだけに生まれた彼女たちは、まだ自分たちが極悪なシステムに組み込まれていることに気づいていない。


乃木坂46に人気が出ても、秋元康という世界にエネルギーを搾取されていく。
そしてそのエネルギーはAKB48へと再変換されるのだ。
AKB48はますます強くなり、乃木坂46はどこまでも追いつけなくなる。


そして「公式ライバル」という呪縛が、秋元康的世界から抜け出せないことを意味する。
彼女たちはAKB48と戦うことだけを許され、他のアイドルたちとは最初から戦えない身体なのだ。


秋元康的バトルロワイアルに参戦させられ、決してシステムからは抜け出せない。
しかも乃木坂46のメンバー内には、まどかのようにシステムを改変する力を持った少女は存在しないのだ。


与えられた武器を見ればわかる。

乃木坂46のデビュー曲は『会いたかったかもしれない』
カラオケでは『会いたかった』の後に位置する。
『会いたかったかな』でも良かったはずで、それなら五十音で先に来るし、『会いたかったかもしれない』ほどはネガティブタイトルにならずに済んだはずだ。

人気も『会いたかった』を超えないだろう。
そして何より、その楽曲が大問題だ。

なぜなら『会いたかった』の歌詞や振り付けはそのままだが、曲調がマイナー調ですべての語尾が下がる。
「会いたかったー↓」や「君にー↓」という具合に。


『会いたかったかもしれない』


乃木坂46はあらかじめAKB48に勝つことが許されていない存在なのだ。


デビューシングルには33人の映像作家が乃木坂46のメンバーを撮影した映像が特典で入るそうだ。
まさにバトルロワイアル。
個人に様々な武器が与えられ、戦う。
「堤幸彦」の武器を与えられた女の子は、映画『バトル・ロワイアル』でマシンガンを与えられたようなものでしょう。


AKB48に勝つことを許されず、メンバー同士で潰し合うバトルロワイアルにすでに投入されている乃木坂46。


この「偽ライダーは倒される運命にある」という図式を覆すアイドルグループがいる。


ももいろクローバーZである。



■ AKB48に対する乃木坂46と、ももいろクローバーZに対するUFIの比較


UFIとは『ウレロ☆未確認少女』というコント番組に登場するアイドル。
このコント番組は、売れない芸能事務所が舞台で、UFIという6人組アイドルグループが売れるために奮闘するストーリーだ。

UFIは番組中には登場せず、唯一その場しのぎで決められた事務員の女の子が「ミスX」として覆面アイドルという設定でコントを演じる。

ももクロファンに取ってこの番組がいかに重要かと言うと、この物語の設定にある。

ももいろクローバーは早見あかりが脱退し5人となる。
そしてその早見あかりが、「ミスX」としてUFIの6人目に抜擢されるのだ。
しかもUFIは百田夏菜子がももりん、玉井詩織がたまちゃん、佐々木彩夏がさーやとして次回予告ナレーションをし、番組発のラジオという設定でMCも担当している。
そしてUFIの歌は有安杏果と高城れにも揃い、ももいろクローバーZが歌う。


『ウレロ☆未確認少女』は、ももクロと早見あかりの関係性を匂わす演出もあり、早見あかりの活躍を心待ちにしていたファンにとって、とても重要な作品となっている。

シーズン2の制作も決定しているようで、今後に期待です。



AKB48の公式ライバルとして登場した乃木坂46。

ではももいろクローバーZにとってUFIとは何か。
ライバルではない。
あえて例えるなら、「ありえたかもしれないパラレルワールドのももいろクローバー」と言えるだろう。

必死でメンバーをまとめようと努力するリーダーのももりんと、仲良しのミスX。
6人でてっぺん目指す。
これがUFIです。


『We are UFI!!!』


AKB48『会いたかった』と力強く歌うのに対し、乃木坂46『会いたかったかもしれない』と暗く曖昧に表現します。

一方UFIはオリジナル曲で「みんなバラバラだけど、みんなといると超楽しい。ガンガンいこうぜ、みんながんばれ」とどこまでも前向きで、6人でてっぺんを目指すことを誓う。


乃木坂46『魔法少女まどか☆マギカ』のように極悪なシステムに囚われている。

だがUFI『魔法少女まどか☆マギカ』の極悪なシステムを否定する。


ももいろクローバーZUFIの進化の魅力は、ゼロ年代的バトルロワイアルの否定にある。


■ 鹿目まどか不在の乃木坂46の抜け出せなさと、鹿目まどかをそもそも必要としないUFIの楽しい力強さ


乃木坂46には鹿目まどか的な、システムを書き換える者が存在しない。
秋元康があらかじめそのように設定しているからです。


ももいろクローバーは早見あかりが脱退し、5人組のももいろクローバーZとなる。
現在の大躍進は、早見あかりが脱退したことで5人がさらに団結し、一緒に成長し続けた結果だろう。

その早見あかりはUFIにミスXとして加入。
UFIがバラバラになる危機を救う役目も果たす。


『魔法少女まどか☆マギカ』は鹿目まどかが世界から退場することで極悪な魔法少女システムが改変され、少女たちはまどかの事も忘れて幸福に暮らせた。

一方ももクロは、早見あかりがメンバーから退場するも、決してあかりんの事を忘れずに活躍する。
そしてUFIとして再びあかりんを加入し、それぞれ目標はばらばらだけど頂点を目指すために一緒にがんばる。


『魔法少女まどか☆マギカ』がまとう絶望と悲哀を否定し、「一緒にいると超楽しいんだけどー」と明るく歌うUFI

システムを改変させる必要なんてない。
そもそもももクロUFIもライバルなんていないのだ。
「公式ライバル」として噛ませ犬を用意することも無いし、辞めたメンバーもしっかり救済する。


ライバルを見つけ戦い続けるのではなく、どこまでも笑顔で楽しみ続けるももクロとUFI。

戦わずして勝つ。


この幸福感がやがて殺伐とした世界を一新する。

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テーマ: ☆女性アイドル☆ - ジャンル: アイドル・芸能