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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

未完 ―道重さゆみ卒業ライブを終えて― 


モー娘。はTIKI BUN新規ですが、道重さゆみ卒業ライブのLVに参戦してきました。

元々センターでエースの鞘師ちゃんがかなりタイプでずっと前からかわいいなぁと思っていたんですけど、モー娘。にはまるまではいかず、それより先にももクロにはまってれにちゃん推しへと至るわけです。
それがももクロ評論同人誌を作るまでに成長いたしました。
第3弾『アイドル感染拡大』は通販サイト、2&物販、ジュンク堂池袋店3階タレント本コーナー、9階音楽書コーナーにて展開していただいております。
それともしかしたら今後関東以外のジュンク堂様でも販売していただくことになるかも知れません!
まだ連絡を取っている段階なのですが、もし置いていただけることになればさらにお買い求めやすくなるかと思います。
それに地方の販売傾向などからもおもしろいデータが取れるかも知れません。

閑話休題。

ということで鞘師ちゃん大好きな僕ですが連れの影響でモー娘。にドはまりしてきました、というお話。
在宅ヲタなのでMVとかをYouTubeで見まくったりする程度なんですけどね。
というかハロプロにはまると破産するしかないので無理なのです。

他のメンバーは全然知らず、道重さんも名前は知ってるけどどんな人物かなども全然知りませんでした。
卒業すると聞いてからモー娘。にはまったので彼女が12年間も在籍していたのすら知らなかったのです。
歴史や在籍メンバーの人柄などを探っていくと大変魅力的なグループであることがわかりました。
最新シングルTIKI BUNのメンバー10人それぞれがすごく魅力的で、知れば知るほどかわいく見えてきます。
これもももクロと同じです。
ももクロは顔がタイプじゃないんですけど、知れば知るほどみんなかわいく見えてきました。
れにちゃん推しですが顔のタイプで言うとしおりんと杏果ちゃんが好きな顔なんですよ。


■  モー娘。ってこんな感じ?


ということで僕が好きなモー娘。メンバーを軽く。

なんと言っても鞘師ちゃんがセンターでエースでダンスがかなりすごく、歌もかなり練習したのか今やグループの中心的なボーカルとなっていると思います。
道重さんも言ってますが、決める時は決め、普段ふにゃふにゃした時がこれまた最強にかわいいです。
私立恵比寿中学のぁぃぁぃと学年が一緒ですね。
ぁぃぁぃが感情を爆発させだだ漏れにして多くの人たちを圧倒するタイプだとしたら、鞘師ちゃんは圧倒的なダンススキルにより見る者に練習量と才能を魂で感じさせるタイプと言えるのではないでしょうか。

新リーダーに選ばれた譜久村聖ちゃんですが、この子も顔がかなり好みです。それに加えて体つきもとても女性らしく大変魅力的です。グラビアアイドルとしても大成しそうな気がします。

というかあれぐらいの肉付きで無防備そうな表情をされたら、嫌いになる男なんかいませんよ、ほんと。
そして彼女はハロプロエッグ出身であり、ハロプロが大好き過ぎるそうで、ももちと同じ部屋で着替えるのを禁じられてるという話を聞きました。おもしろい!
ハロプロエッグからでもモーニング娘。になれるんだというのを体現するという気概を持った彼女は、ついにはモーニング娘。のリーダーにまで登りつめました。

新規ファンからすれば道重さんとはまったく別のタイプのリーダーに見えます。これからどれだけ苦悩し、その先にどんな笑顔を見せてくれるのか大変楽しみですね。


鈴木香音ちゃんもすごく好きで、道重さんに「痩せたらリーダーにしてあげる」と言われたそうです。
鞘師ちゃんとも仲良いのが伝わってくるというか、もしかしたら鞘師ちゃんは香音ちゃんが同期でいなかったら早くに潰れていたかもな、と思わせるほど香音ちゃんの存在感は大きいものだと感じます。
歌がとてもパワフルなのでさらに上達して聴く者を圧倒させてほしいです。


石田ちゃんもかなり好きで、『ピョコピョコウルトラ』のPV見たらかわい過ぎて吐血しそうでした。

なんと言っても彼女の魅力はダンスのスキル以上に「気遣い」があると思います。
いろんな動画を見ていると彼女が様々なメンバーと一緒にいるのを知ります。
香音ちゃんとじゃれあったり、生田衣梨奈のそばにいたり。
後輩の小田さくらが11期なんですが、11期は1人しか加入しませんでした。石田ちゃんの10期は4人います。そういう部分への配慮もあって小田ちゃんに絡むことも多い気がします。
とにかく石田ちゃんは気遣いの人だな、という印象を強く持ちました。

小田さくらちゃんはなんと言っても歌唱力でしょうね。
つんく♂さんが「歴代モー娘。の五指に入るほどの歌唱力」と絶賛したそうです。
MVなどでは彼女のソロの時に映ってる場面が少ないのですが、LVで見たら歌ってるとこがほんとかっこよかったです。まだ中学生だったと思いますけど、今後モー娘。を歌で引っ張っていくのが楽しみですね。

生田衣梨奈は顔も性格も好きじゃなかったんですけど、新垣里沙ヲタだというのを知って好感度が上がりました(笑)。
14歳の時にファンに混じって新垣バスツアーに参加してるんですけどかわいいです。
表情が不安顔で、言動も周囲の空気を読まない感じなんですよね。そのためかメンバーもわざわざ絡みに行くようなことがない気がするんですけどどうなんでしょうか。
サブリーダー発表の時に「えーって思う人もいるでしょうけど、これが現実です!」って言ったのが大爆笑でした。
道重さんが「私と同じタイプ」と何度も言ってくれてるのを胸に躍進して欲しいです。

飯窪ちゃんも全然顔がタイプじゃなく、モデルをやってたそうで、モデル系って興味無いなってあらためて思いました。
でも彼女もとても素晴らしい人格者で、さらに頭が良い気がします。そこがとても惹かれます。
それに『ジョジョリオン』の単行本を買ってるのを知って好きになりました(笑)。
そういうのを知るとかわいく見えてくるから不思議です。元々かわいいのは知ってるんですけどタイプじゃなかったのが好きな顔に見えてくる、という意味ですよ。
サブリーダー継続ということで、新リーダーの良き補佐役になること間違いなしでしょう。そしてメンバー最年長になるということでさらなる成長も期待しています。

工藤ちゃんはほんとかわいいし、さらにとてもしっかり者という感じです。言動もしっかりしてる。
だから最後に道重さんに語った「うまく甘えられなかったけど道重さんの方から話しかけてくださってとても嬉しかった」と泣きながら伝えたのがほんと胸を打ちました。
これからメンバー最年少ではなくなるということなので、良き先輩としてさらに成長していくのではないでしょうか。

佐藤ちゃんはよくわかりません(笑)。
でも道重さんと離れるのが嫌だというのが全身から伝わってきて胸を締め付けられました。
道重さんにちゃんと言葉を伝えなきゃと2回ぐらい「しっかりしますね」と正してたけど、道重さんも言うようにそのままの佐藤ちゃんで居てほしいと思いました。
モー娘。にとって欠かせない存在だとメンバーの誰もが思ってると思います。
田中れいなさんのことが大好きらしいけどその理由が「たなささんは頭にゴミ袋を乗せても怒らないから好きです」って何やってんだよあんたは。


そして道重さゆみさん。僕は卒業が決まってからモー娘。に興味を持ったので、卒業後のモー娘。の大躍進しか思い描いていないですが、「横浜アリーナ満員のこの景色をメンバーに見せたかった」と語った重みを知りました。
確かに横浜アリーナを埋めるということはアイドルにとってかなり難しいことです。
道重卒業ということで多くの人を集めたが、いつもこれぐらい集められるようなグループになってほしいという想いが強く感じられました。

歌もダンスも下手な女の子がモー娘。が大好きだからという理由だけでオーディションを受け、12年在籍し、しかも最後にはリーダーとしてここまで現在のモー娘。を世間に広めてきました。
横浜アリーナの他に全国やアジア圏でのライブビューイング、スカパーでのライブ中継など、多くの人が見守っていたと思います。

道重さんの歴史については以下の動画をご覧下さい。

参照動画 道重さゆみの奇跡と軌跡


ラストは『赤いフリージア』というメロン記念日の曲だったのですが、これはオーディションの時の課題曲だったそうです。
この曲から始まり、この曲でアイドルを終えたということです。
歌もダンスも下手な女の子が会場をピンクに染めるほどのスターになった。しかもプロ集団と称されるハロプロの中でです。その意味はとても大きかったと思います。

今後ハロプロのリーダーに℃-uteの矢島舞美ちゃんが就任。モー娘。のリーダーに譜久村聖ちゃんが就任したわけですが、二人共道重さんとは全然違うタイプだと思います。
でもハロプロを愛する気持ち、モー娘。を愛する気持ちというのは変わらないはず。愛と感謝を忘れずにいれば絶対に報われることを道重さんは証明しました。
人として素晴らしい人物であり続けることが結果的にリーダーとしても優秀であるということになると思います。
受け継がれて行く物語がこれからもキラキラと輝いていることを期待しています。


■  完璧ではないという重要性


ももクロ評論誌でも書いたが、愛されるキャラクターというのは弱点を持つ。ドラゴンボールの悟空はしっぽをつかまれると脱力するし、ワンピースのルフィは泳げない。ドラえもんはねずみが苦手だ。
これらの弱点により強いはずの主人公たちは窮地に立たされる。
そこで見ている者は完璧ではないキャラクターに自分を投影しやすくなり、さらに愛着がわく。

ハロプロというダンスも歌もトップレベルのアーティスト軍団の中で歌もダンスも下手な道重さゆみがリーダーを務めていた。
これはハロプロがダンスや歌のみを追求している団体ではないという象徴だったのではないか。
換言すると「ただがんばってる女の子にスポットライトを当てているだけ」という単純なことなのかも知れない。
歌がうまい子は歌をがんばればいいし、ダンスがうまい子はダンスをがんばればいい。苦手な部分は練習をすれば成長していくから、弱点を持つ者を排除したりはしない。
その象徴が道重さゆみだった。

モー娘。には佐藤優樹というよくわからない女の子(でも歌がすごくうまい)や、生田衣梨奈という歌もダンスも下手な女の子(でもモー娘。がすごく好き)が居て、スキルが高い子だけを選んでいるわけではないのがわかる。
僕が見た限りでは、「歌」「ダンス」「ルックス」の3つのパラメーターで選出している気がする。
そして根底にあるのは「がんばってる女の子」かどうか。「モー娘。が大好き」かどうか、なのではないか。


「完璧ではない」そして「モー娘。を愛している」。この極致が卒業ライブだった。
LVで見ていると途中でロングブーツを脱ごうとしているのが映し出され「足がつったのかな?」と思った。
その後も一瞬苦痛で顔を歪ませるシーンがあるが、すぐ次の瞬間には下の「道重スマイル」に戻っている。
だからおそらくまばたきをしているとわからなかったかも知れない。会場のファンはどうだったのだろうか。
移動しなくなったりするがメンバーのフォーメーションによりそれが違和感なく見えたりもするだろう。
でも明らかに不安そうな表情を浮かべる工藤遥や、道重ラストステージだからと道重への心配を微塵も見せずにパフォーマンスに徹する石田亜佑美を見ていると、異常事態であることがより伝わってくる。

現地で見ている人にあとから聞くと捻挫のように見えたらしい。つんく♂氏のツイートによると足がつったということだった。ネット情報では幼少期から足が弱かったそうだがどうなんだろう。
観客の多くは「なぜ今日なんだ」と思っただろうし、道重さゆみ本人が一番「ここまで支えてくれた人達の前でこんなことになるとは」と思っていたことだろう。
その後靴を履き替え、メンバー9人が衣装で靴を揃えている中、道重のみがシューズとなっていた。
まさに「完璧ではない」道重さゆみがそこにいた。

未完成であることというのがいつまでも人の心に残る大きな理由にもなる。

だからこそあえて苦言を言うと、プロ集団を演じなくても良いのではないか、ということだ。
道重さゆみに贈る最後の言葉の時に、考えてきた言葉をスラスラ言える子と、その場で言葉が崩れる子がいて、僕からすると言葉が崩れてしまう子にとても心を揺さぶられてしまう。

ハロプロの運営は素晴らしいと思うが、そのあたりの教育法は考え直した方が良いのではないか。
道重さゆみの最後の舞台だから絶対に失敗してはいけないと思う女の子と、最後だからとにかく想いを伝えなきゃと必死になる女の子がいる。
前者はスマートに見え、後者は話がまとまってないように映る。
アーティストとしては前者が正解かも知れない。でも女の子としては後者になるべきだと多くの一般人は感覚的に信じ込んでいるはずだ。
つまり「完璧ではない」だ。

だからこそ「しっかりしなきゃ」と「辞めて欲しくない」で揺れ動く佐藤優樹を見て感動するし、道重に近づいて再び話し始めてしまう石田亜佑美に共感を覚えるのだ。

それとは逆に、生田衣梨奈からのメッセージの前で再び足の痛みに耐えられなくなり「会場を暗くしてもらっていいですか」と申し訳なさそうに言ったが、その時に「なんで生田の時にまた」と「タイミングが悪い生田」という最高のフリがあったが、明転後は再び何事も無かったかのように生田衣梨奈は話し始めた。
アーティストとしては正解なのかも知れないが、女の子としてはもっと動揺しても良かったのではないだろうか。
(もちろん「動揺して」と命令され動揺するのは極めてプロ的な対応だが)


ハロプロはアーティストとしてのパフォーマンスの見せ方はとても上手だと思うが、女の子としての魅力を見せるのは下手だと思う。
その辺スターダストは逆で、パフォーマンスのスキルよりも女の子としての魅力の見せ方がうまい。
少し前からももクロはアーティスト面の強化をし、エビ中は「キレのないダンスと不安定な歌唱力」という当初のキャッチフレーズからの脱却を宣言しているが、最初は人物としての魅力に気づいてもらうことを優先していた。


今後モー娘。にとって道重卒業が最大の未完成となるだろう。
つまりそれはより多くの人により深く愛してもらえる可能性を秘めているということでもある。
精神的支柱が抜けて不安になるだろう。
道重以外に知ってるメンバーがいないという人が多いから焦る気持ちもあるだろう。
20歳以下の若いグループというもろさもあるだろう。
だからより強くプロとして振る舞うという考えもありかも知れない。
でもドラゴンボールなどが陥った「強い奴のインフレ」(参照:サルでも描けるまんが教室)が示すようにプロを目指すということは「よりプロへ」「さらにプロへ」「もっとプロへ」とキリがなく、さらに「プロ」というものの魅力が薄れる。
それよりもまずは一人の女の子として感情移入しやすい「未完成さ」を提示してほしい。

新リーダーとしての不安があるのは当然じゃないか。譜久村聖としての魅力がそのことで損なわれませんように。
新サブリーダーとして何をすればいいのかわからないのは当たり前。生田衣梨奈としてのモー娘。愛が損なわれませんように。
道重が抜けてからのサブリーダーとして気負うのは当然じゃないか。飯窪春菜としての優しさが損なわれませんように。
新生モー娘。の絶対的エースとして一人で背負い込んでしまうのは目に見えている。でも鞘師里保としての自然体の時間が減りませんように。
バラエティ組として道化師に徹しようとストイックになるのが目に見えている。でも鈴木香音という一人の女の子としての感情が損なわれませんように。
新リーダーや新メンバーの架け橋になろうとさらに気を遣う場面が増えるかも知れない。それでも石田亜佑美という人柄が欠け落ちませんように。
後輩たちの手前甘えられないといろいろ考えてしまうかも知れない。でも佐藤優樹の持つ距離感の縮め方をこれからも大事にしてほしい。
メンバーの仕切りとか自分ががんばらなきゃって強く想い過ぎることが増えるかも知れない。でも工藤遥という一人の女の子としての不安感とか人に甘えたいという感情を信頼してもっと出してほしい。
ただ一人同期がいないということでより不安になるかも知れない。でも小田さくらとしての誇りが損なわれませんように。
新メンバーの4人、尾形春水・野中美希・羽賀朱音・牧野真莉愛も重圧を感じるかもしれないけど、先輩が同じ経験をしてきてるんだから、いっぱい聞いて、いっぱい成長してほしいです。


「プロ集団」というひとつの塊ではなく、ひとりひとり「未完成」で「それでもがんばってる」女の子が集まっているグループとしてこれからもさらに躍進を続けてください。

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