実存浮遊
映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。
2017.01.01 Sun. 09:50 :edit
感染せよ‼︎ 【『本当によい教育を実現するための覚書』は実現可能か】
『本当によい教育を実現するための覚書』を拝読しました。
個別指導塾で働く著者が様々な著名人の教育思想を取り入れて、よりよい教育の場を目指すための一冊。
現状の様々な問題点を抽出し、情念をぶつけた文章が現代日本が陥っている深刻な状況を際立たせます。
この問題を打破するために著者が掲げていることを簡単にまとめると「新たな学びの場が必要だ」ということです。
著者が提案する場はとても魅力的です。
こんな場所があれば子供達はのびのびと成長していくことでしょう。
ただ問題点もあります。
問題点を明確にすることで「よりよい教育の場」を目指すための助力になることを願っております。
そして『本当によい教育を実現するための覚書』とこれから記す文章を併読することで、多くの人々が現状の酷さを把握するとともに、今我々に何が必要で何を捨てていくべきかが明確になれば、僕としてはこの上ない喜びです。
では本書の問題点は何か。
それは、「場所が本当に必要なのか」ということです。
著書は本書で協力者を募っており、特に場所を提供してくれる人を募集しています。
著者が人生の指導者、助言者として挙げている宮台真司先生の考え方を借りて反論すると、教室が固定されてしまうことでいじめが発生してしまいます。つまり著者が作りたい場所が池袋辺りに一箇所しか無いという状況自体が、いじめという新たな問題を発生させてしまう可能性があります。
アイドルファンでもある著者には「古参が老害化する」という言い回しでも伝わるかもしれません。
当然これに対し、「現状の満員電車状態のクラス制度とはまったく別種であるためいじめは発生しにくい」という反論もあるでしょう。ただこの一点だけで反対しているわけではありません。
ここで強調したいのは「場所は限定的じゃない方が教育に良いのではないか」ということです。
また、著者が掲げる場は法律の問題をクリアできるのかも疑問で、本書では触れられていませんでした。
著者が目指す学びの場はとても理想的ですが、行きたい子が池袋まで行かなければならないということなど限定的であることを考えると、「よりよい教育を実現するため」にはもっと効果的で魅力的で実現可能な方法があるのではないか、と感じました。
キーワードは著者も挙げている「感染」です。
これは宮台用語で、意味は「スゴイ人に出会い思わず思考や言動を真似してしまうこと」です。
自発性ではなく内発性を刺激できる人物とも説明できます。
自らの利益のために行動する人ではなく、自己を犠牲にしてまで他人のために思わず行動してしまう、そんな人にさせてしまう人物です。
何が言いたいかと言うと、場ではなく著者自身が感染させまくる場として存在すればいいのではないか、という提案です。
場所を限定するのではなく、著者が行く先々で学童保育や学習塾を道場破りしていくのです。
そして近くの市民センターなどでワークショップを開催するのです。
「お前らあんなところにいても無駄どころか害悪でしかねえんだぜ」と。
「俺がもっとおもしろいものを見せてやる」と。
著者に感染した子供達や大人達は考えを改め、家庭や学校での振る舞いが変わっていくでしょう。
そうして著者はまた新たな場所へ去って行くわけです。
これは著者だけへの提言ではなく、すべての大人達への提言でもあります。
自らがスゴイ人物となって子供達の内発性(利他性)を刺激しまくるしか道はありません。
本書により現状認識を深め惨状を知り、著者の情念(本を作ってしまうということがどれだけパワーがいることでしょうか!!)を受け取り、共に「よりよい教育を実現するため」に必要なことが何かを模索していく。
この本はそのために必要な本です。
多くの人々が感染者として覚醒できますように。
ちろうのレイブル日記(『本当によい教育を実現するための覚書』申し込みフォーム)
http://d.hatena.ne.jp/routi/touch/20161222/p1#p1
個別指導塾で働く著者が様々な著名人の教育思想を取り入れて、よりよい教育の場を目指すための一冊。
現状の様々な問題点を抽出し、情念をぶつけた文章が現代日本が陥っている深刻な状況を際立たせます。
この問題を打破するために著者が掲げていることを簡単にまとめると「新たな学びの場が必要だ」ということです。
著者が提案する場はとても魅力的です。
こんな場所があれば子供達はのびのびと成長していくことでしょう。
ただ問題点もあります。
問題点を明確にすることで「よりよい教育の場」を目指すための助力になることを願っております。
そして『本当によい教育を実現するための覚書』とこれから記す文章を併読することで、多くの人々が現状の酷さを把握するとともに、今我々に何が必要で何を捨てていくべきかが明確になれば、僕としてはこの上ない喜びです。
では本書の問題点は何か。
それは、「場所が本当に必要なのか」ということです。
著書は本書で協力者を募っており、特に場所を提供してくれる人を募集しています。
著者が人生の指導者、助言者として挙げている宮台真司先生の考え方を借りて反論すると、教室が固定されてしまうことでいじめが発生してしまいます。つまり著者が作りたい場所が池袋辺りに一箇所しか無いという状況自体が、いじめという新たな問題を発生させてしまう可能性があります。
アイドルファンでもある著者には「古参が老害化する」という言い回しでも伝わるかもしれません。
当然これに対し、「現状の満員電車状態のクラス制度とはまったく別種であるためいじめは発生しにくい」という反論もあるでしょう。ただこの一点だけで反対しているわけではありません。
ここで強調したいのは「場所は限定的じゃない方が教育に良いのではないか」ということです。
また、著者が掲げる場は法律の問題をクリアできるのかも疑問で、本書では触れられていませんでした。
著者が目指す学びの場はとても理想的ですが、行きたい子が池袋まで行かなければならないということなど限定的であることを考えると、「よりよい教育を実現するため」にはもっと効果的で魅力的で実現可能な方法があるのではないか、と感じました。
キーワードは著者も挙げている「感染」です。
これは宮台用語で、意味は「スゴイ人に出会い思わず思考や言動を真似してしまうこと」です。
自発性ではなく内発性を刺激できる人物とも説明できます。
自らの利益のために行動する人ではなく、自己を犠牲にしてまで他人のために思わず行動してしまう、そんな人にさせてしまう人物です。
何が言いたいかと言うと、場ではなく著者自身が感染させまくる場として存在すればいいのではないか、という提案です。
場所を限定するのではなく、著者が行く先々で学童保育や学習塾を道場破りしていくのです。
そして近くの市民センターなどでワークショップを開催するのです。
「お前らあんなところにいても無駄どころか害悪でしかねえんだぜ」と。
「俺がもっとおもしろいものを見せてやる」と。
著者に感染した子供達や大人達は考えを改め、家庭や学校での振る舞いが変わっていくでしょう。
そうして著者はまた新たな場所へ去って行くわけです。
これは著者だけへの提言ではなく、すべての大人達への提言でもあります。
自らがスゴイ人物となって子供達の内発性(利他性)を刺激しまくるしか道はありません。
本書により現状認識を深め惨状を知り、著者の情念(本を作ってしまうということがどれだけパワーがいることでしょうか!!)を受け取り、共に「よりよい教育を実現するため」に必要なことが何かを模索していく。
この本はそのために必要な本です。
多くの人々が感染者として覚醒できますように。
ちろうのレイブル日記(『本当によい教育を実現するための覚書』申し込みフォーム)
http://d.hatena.ne.jp/routi/touch/20161222/p1#p1
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