実存浮遊
映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。
2017.07.08 Sat. 09:22 :edit
『ひよっこ』がいかに素晴らしいか
朝ドラ『ひよっこ』が素晴らし過ぎる。
『あまちゃん』ブームを知り途中から見出し、その後ずっと朝ドラを見てますが、『ひよっこ』が一番素晴らしいです。
これまでの主人公と違い、モデルになる人物がおらず、そして目指すべき目標もありません。
そして大きな特徴と悪者が登場しません。
・モデルがいない
前回の『べっぴんさん』や次回の『わろてんか』はモデルになる女性実業家がいます。
それゆえあらかじめ結末を予想できます。
なので全話見なければならないと気負わずに済みます。
『ひよっこ』は失踪した父親を探すという理由はありますが、ベースはがんばり屋さんの女の子が田舎から上京していろんな人たちと出会い笑顔になる、というものです。
漫画のジャンルで「日常系」というのがありますがそれに近いと思います。
・目標がない
「ベビー服の会社を興すぞ」「お笑い事務所を興すぞ」などの高い目標が無い『ひよっこ』。
強いて挙げるとしたら「田舎に仕送りする」というものです。
毎日を笑顔を忘れず生きていて、それで周りも笑顔になり、助け合って暮らしている。
父親を探しに上京しましたが、何も手がかりが無く、目撃情報があった近くの土地で働いているという状況です。
「いつかきっと会える」と信じていますが、毎日父親探しのために奔走してる、という状態ではありません。
その代わりにいつも心の中で父ちゃんに語りかけています。その姿は、東京にいる理由を忘れないよう必死に日々に刻みつけているように映ります。
・悪者がいない
かつての朝ドラの場合、主人公を邪魔する人物が登場しました。
敵が物語から退出することで主人公が成長したり喜んだり悲しんだりするわけです。
言い換えると、敵を排除することがテーマになりがちであり、視聴者も「こいつがいなくなるんだな」と容易に予測でき、それを期待しながら見ることになります。
排除すべきものが明確であるがゆえに、安心して視聴できる一方予定調和やワンパターンなどの飽きに見舞われます。
『ひよっこ』の場合悪者が登場しません。
その代わりに主人公を襲うのは経済不況など自身ではどうにもならない事です。
それゆえ解決ではなく出来事をあるがままに受け入れ「生きるため」「田舎に仕送りするため」に健気に日々を過ごしています。
モデルがいない、目標がない、悪者がいない、というのはつまり我々にとても近いということです。
我々は人生の結果がわかっているわけでもないし、悪者を排除すれば社会的に大成功するわけでもありません。
ここまで書きましたが御託を並べずとも『ひよっこ』を見れば、登場人物の人柄に笑みがこぼれ、社会の状況に現代社会を重ね思いを馳せ、そしてこの世界の豊潤さを再認識することでしょう。
この社会は主人公1人とその他のキャラ、で構成されていません。
みんな生きていて、みんな悩みを抱え、それでもみんな生きています。
誰もがひよっこ。
とても優しい気持ちになれる作品です。
多くの人たちにご覧いただきたいです。
・朝ドラの形式を意識する
他にも、従来の朝ドラは一週間のテーマが決まっていて、月曜の問題を土曜に解決するパターンがメインになります。
『ひよっこ』の場合は月曜日の出来事も次の日やその次の日くらいで解決し、また別の話題に切り替わったりします。
スピード感があり目が離せません。
『ひよっこ』のキーワードとして「笑顔」と「歌声」があります。
ももクロと一緒です(『行くぜっ!怪盗少女』の歌詞を参照)。
笑顔は楽しいだけじゃなく、あるきっかけにより悲しい顔をするのをやめた決意の表れでもあります。
そして歌声はそれだけで仲間感を演出します。
畑仕事の時、乙女寮の食堂、レストランの裏庭、みんなが集まり歌ったり笑ったりします。
「笑顔」と「歌声」
今この社会に必要なことを教えてくれる素晴らしい作品です。
『あまちゃん』ブームを知り途中から見出し、その後ずっと朝ドラを見てますが、『ひよっこ』が一番素晴らしいです。
これまでの主人公と違い、モデルになる人物がおらず、そして目指すべき目標もありません。
そして大きな特徴と悪者が登場しません。
・モデルがいない
前回の『べっぴんさん』や次回の『わろてんか』はモデルになる女性実業家がいます。
それゆえあらかじめ結末を予想できます。
なので全話見なければならないと気負わずに済みます。
『ひよっこ』は失踪した父親を探すという理由はありますが、ベースはがんばり屋さんの女の子が田舎から上京していろんな人たちと出会い笑顔になる、というものです。
漫画のジャンルで「日常系」というのがありますがそれに近いと思います。
・目標がない
「ベビー服の会社を興すぞ」「お笑い事務所を興すぞ」などの高い目標が無い『ひよっこ』。
強いて挙げるとしたら「田舎に仕送りする」というものです。
毎日を笑顔を忘れず生きていて、それで周りも笑顔になり、助け合って暮らしている。
父親を探しに上京しましたが、何も手がかりが無く、目撃情報があった近くの土地で働いているという状況です。
「いつかきっと会える」と信じていますが、毎日父親探しのために奔走してる、という状態ではありません。
その代わりにいつも心の中で父ちゃんに語りかけています。その姿は、東京にいる理由を忘れないよう必死に日々に刻みつけているように映ります。
・悪者がいない
かつての朝ドラの場合、主人公を邪魔する人物が登場しました。
敵が物語から退出することで主人公が成長したり喜んだり悲しんだりするわけです。
言い換えると、敵を排除することがテーマになりがちであり、視聴者も「こいつがいなくなるんだな」と容易に予測でき、それを期待しながら見ることになります。
排除すべきものが明確であるがゆえに、安心して視聴できる一方予定調和やワンパターンなどの飽きに見舞われます。
『ひよっこ』の場合悪者が登場しません。
その代わりに主人公を襲うのは経済不況など自身ではどうにもならない事です。
それゆえ解決ではなく出来事をあるがままに受け入れ「生きるため」「田舎に仕送りするため」に健気に日々を過ごしています。
モデルがいない、目標がない、悪者がいない、というのはつまり我々にとても近いということです。
我々は人生の結果がわかっているわけでもないし、悪者を排除すれば社会的に大成功するわけでもありません。
ここまで書きましたが御託を並べずとも『ひよっこ』を見れば、登場人物の人柄に笑みがこぼれ、社会の状況に現代社会を重ね思いを馳せ、そしてこの世界の豊潤さを再認識することでしょう。
この社会は主人公1人とその他のキャラ、で構成されていません。
みんな生きていて、みんな悩みを抱え、それでもみんな生きています。
誰もがひよっこ。
とても優しい気持ちになれる作品です。
多くの人たちにご覧いただきたいです。
・朝ドラの形式を意識する
他にも、従来の朝ドラは一週間のテーマが決まっていて、月曜の問題を土曜に解決するパターンがメインになります。
『ひよっこ』の場合は月曜日の出来事も次の日やその次の日くらいで解決し、また別の話題に切り替わったりします。
スピード感があり目が離せません。
『ひよっこ』のキーワードとして「笑顔」と「歌声」があります。
ももクロと一緒です(『行くぜっ!怪盗少女』の歌詞を参照)。
笑顔は楽しいだけじゃなく、あるきっかけにより悲しい顔をするのをやめた決意の表れでもあります。
そして歌声はそれだけで仲間感を演出します。
畑仕事の時、乙女寮の食堂、レストランの裏庭、みんなが集まり歌ったり笑ったりします。
「笑顔」と「歌声」
今この社会に必要なことを教えてくれる素晴らしい作品です。
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