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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

ことわざから学ぶ社会学第1回 

■ 『罪を憎んで人を憎まず』 【ことわざで学ぶ社会学 第1回】


社会学とは一体どういう学問なのか。

誰もが知っていることわざを題材に、社会学からどのような思考が得られるか、社会学がどのような学問か書いていきたいと思います。


第1回は『罪を憎んで人を憎まず』です。


■ 非常時に本性が表れる


中国である出来事が起きました。

スイカを積んだトラックが事故に遭い、運転手が助けを求めるも群衆はスイカを盗むのに必死で運転手を助けず死亡してしまった、というものです。


ここで中国を批判することは容易です。

ですが、問題はそこではありません。

なぜなら我々は、スイカに群がる人たちのような生活環境にないからです。
彼らのような状況に無い我々は、彼らと同じ状況になった時にどのような行動を取るかわかりません。

なので彼らを批判したところで無駄です。
それよりも「人命よりもスイカを大事にする環境」を批判すべきです。

つまり「罪を憎んで人を憎まず」です。

人は環境次第で善人にも悪人にもなる。
その人個人を責めたとしても、環境が変わらなければ新たな罪人が生まれ続けるだけです。

なので罪が生まれる環境を見直すべきでしょう。


そして、環境というのはいつどうなるか誰にもわかりません。
明日我々が、命よりもお金を取らざるを得ない環境に陥るかも知れません。



本人に責任を負わせず、「なぜその出来事が起こるのか」という環境に注目する。
これが社会学の考え方です。

「その人が異常だから我々とは関係無い」とする考え方を批判するのが社会学です。
(「精神異常者」などにカテゴライズすることを「帰属処理」と言います。そして異常者と健常者を分けて考えることを「切断操作」と言います)


システムに注目し、起こりうるメカニズムを解明することで問題の根本的な部分を見直すのが社会学です。


「なぜ事象は発生するか」
広い視野と豊富な知識が必要とされる学問です。
物事は様々な出来事が複雑に絡み合って生まれます。

まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」です。
風がどこから吹いてるのか。
設けた桶屋がその後どのような影響を社会に与えるのか。


今後もことわざを題材にして社会学について考えていきたいと思います。
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テーマ: 哲学/倫理学 - ジャンル: 学問・文化・芸術

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この記事に対するコメント

私は教育の勉強で「行為を憎い生徒を憎まず」みたいなニュアンスでいじめ問題について話し合った記憶がありますが、それと類似してると捉えてもイイですか?
当時は言葉の響きみたいなものばかりに目を輝かせ、面接対策として覚えたものですが、今になって振り返るとなかなか深い言葉なんだと気付きました。


第一回ということは今後も
続いていきそうなんですか?

URL | アロエ #-

2012/07/21 15:02 * 編集 *

アロエさんへ

コメントありがとうございます!

> 私は教育の勉強で「行為を憎い生徒を憎まず」みたいなニュアンスでいじめ問題について話し合った記憶がありますが、それと類似してると捉えてもイイですか?


そうですね。
学校は特に長時間自分の意思とは無関係に選ばれた生徒たちに囲まれ、自分の好き嫌いに関係無い先生が担任になっているので、ガス抜きがいじめになりがちです。
誰がいじめられるかは偶発的。
それこそ「髪型変じゃない?」程度のことからいじめられかねません。

誰でもいじめっ子にもいじめられっ子にもなりうる。
なので個人を対象に療法しても政策が追いつきません。


> 第一回ということは今後も
> 続いていきそうなんですか?


社会学に関連ありそうなことわざを思いついたらまた書きます!
宮台さんがよく「金の切れ目が縁の切れ目」を使うので、それについては書こうかなと。

URL | さかもと #-

2012/07/21 16:17 * 編集 *

この分野には明るくないので楽しみにしています。
まず前提として、社会学とは性善説の上に成り立っているのでしょうか。個人に責を負わせず環境に注目するということは、良い環境を整えれば不都合な事象は発生しない、ということでしょうか。

また、個人に責を負わせないのは悪事の場合のみでしょうか。善行に対してもでしょうか。
今後論述されるご予定なら、ここで回答いただかなくて結構です。

最後に、中国の事故の件は、社会学的見地からどのような提言がされたのでしょうか。まさか、貧困撲滅といったこどもの発想的なものではないですよね。

URL | 社会学初心者 #-

2012/07/22 08:57 * 編集 *

社会学初心者さんへ

コメントありがとうございます!


> この分野には明るくないので楽しみにしています。


僕自身社会学の本を読む程度で本格的に学んでいるわけではありませんし、今後いろいろ吸収していきたいと思っているところです。
ですが「社会学っていうのがある」というのが世間に広まればいいなぁ、と思って進めています。
今後ともぜひよろしくお願いします。


> まず前提として、社会学とは性善説の上に成り立っているのでしょうか。個人に責を負わせず環境に注目するということは、良い環境を整えれば不都合な事象は発生しない、ということでしょうか。


それがとても難しいところです。
僕の個人的な認識ですけど、性善説にも性悪説にも拠ってないと思います(当然どちらかに立って考える先生もいると思いますが)。
例えば、億万長者は1000円欲しさに殺人を犯すことは無いでしょう。でも1000円欲しさに殺人を犯す人もいるでしょう。
それはなぜか?と考えるのが社会学だと思います。
社会学者の言葉を借りると、「なぜ犯罪が起きるのか」ではなく「なぜ我々はその犯罪を起こさないのか」という考え方をする、と。

「良い環境を整えれば不都合な事象は発生しない、ということでしょうか。」に対する個人的な回答としては、
不都合な事象は減るでしょうけど、またそれにより新たな「悪い環境」が生まれる可能性がある、という感じです。


> また、個人に責を負わせないのは悪事の場合のみでしょうか。善行に対してもでしょうか。
> 今後論述されるご予定なら、ここで回答いただかなくて結構です。


善行に対してもそうですね。
3.11のボランティアが集まりましたが、災害ユートピアと言うらしいのですが、災害時に助け合うのは常態であるそうです。
つまり、絆が強まって素晴らしい状況に見えるけど、それは一時的なものでしかない、と。

ですが、当然これだと悲しい(笑)。
なので優秀な社会システムは、システムに導引されて善行をやらされるのではなく、自分の意思で善行を行い充実感が得られると思い込める(そして思い込むまでもない)システムだと思います。
システムに操られているとすら感じないシステム、ですね。


> 最後に、中国の事故の件は、社会学的見地からどのような提言がされたのでしょうか。まさか、貧困撲滅といったこどもの発想的なものではないですよね。


僕が動画で聞いたのでは、今回の記事のようなことしか話して無かったと思います。
同じ環境に無い以上、日本人が中国人の道徳的に見えない行為を批判しても意味が無い、と。

個人的な考えでは、行為に利益または行為しないことに罰則が無い限りは善行(に見えるもの)はやらないと思います。
その利益や罰則がお金なのか共同体内の視線なのか宗教的な輝きなのかはわかりませんが。

URL | さかもと #-

2012/07/22 13:21 * 編集 *

> 僕自身社会学の本を読む程度で本格的に学んでいるわけではありませんし、今後いろいろ吸収していきたいと思っているところです。
> ですが「社会学っていうのがある」というのが世間に広まればいいなぁ、と思って進めています。

じゃあやめた方がいいよ。少なくとも本文中にそのエクスキューズは入れるべき。じゃないと、地球温暖化問題みたいに妄言を吐く基地外になる。夏休みにバイトした学生が労働の素晴らしさを語るようなもの。社会人は若さを考慮して笑ってすませるが、いい歳したおっさんのやることじゃない。有識者に馬鹿にされる覚悟があるならいいけど。

個人的な感想だけど、ここで語られてる内容が社会学の基礎なら性善説しか成り立たないと思うんだけど。だって性悪説に立ったら、億万長者だって1000円のために人を殺すことは十分ありえるでしょ。異常者と健常者をひとまとめにするってことは、人は皆一様であるってことでしょ。ならその人間が善人か悪人か定義しないと研究が進まないと思うんだけど。「なぜ我々はその犯罪を起こさないのか」っていうのは「なぜ我々は悪人にも拘らずその犯罪を~」ってこと?よく分からないなぁ。

> 個人的な考えでは、行為に利益または行為しないことに罰則が無い限りは善行(に見えるもの)はやらないと思います。
性悪説じゃん。性善説に立ったら人は見返り無くとも善行できるんじゃないの。

性善説、性悪説については研究したわけじゃなく、あくまで個人の体験レベルでの使用法に拠る概念なので、あなたの概念と違ってたらすいません。

URL | 社会学初心者 #-

2012/07/22 19:30 * 編集 *

社会学初心者さんへ

返信遅れてすみません。


> > 僕自身社会学の本を読む程度で本格的に学んでいるわけではありませんし、今後いろいろ吸収していきたいと思っているところです。
> > ですが「社会学っていうのがある」というのが世間に広まればいいなぁ、と思って進めています。
>
> じゃあやめた方がいいよ。少なくとも本文中にそのエクスキューズは入れるべき。じゃないと、地球温暖化問題みたいに妄言を吐く基地外になる。夏休みにバイトした学生が労働の素晴らしさを語るようなもの。社会人は若さを考慮して笑ってすませるが、いい歳したおっさんのやることじゃない。有識者に馬鹿にされる覚悟があるならいいけど。


有識者から反応があるとしたら願ったり叶ったりです。
それも社会学者から馬鹿にされるのであれば書いた甲斐があるってものです。
自分の無知をさらすよりも、もっと世間に社会学が広まって欲しいです。
そのためにこうしてコメント欄も設けています。



> 個人的な感想だけど、ここで語られてる内容が社会学の基礎なら性善説しか成り立たないと思うんだけど。だって性悪説に立ったら、億万長者だって1000円のために人を殺すことは十分ありえるでしょ。異常者と健常者をひとまとめにするってことは、人は皆一様であるってことでしょ。ならその人間が善人か悪人か定義しないと研究が進まないと思うんだけど。「なぜ我々はその犯罪を起こさないのか」っていうのは「なぜ我々は悪人にも拘らずその犯罪を~」ってこと?よく分からないなぁ。


ぜひ一緒に社会学を学びましょう。


> > 個人的な考えでは、行為に利益または行為しないことに罰則が無い限りは善行(に見えるもの)はやらないと思います。
> 性悪説じゃん。性善説に立ったら人は見返り無くとも善行できるんじゃないの。
>
> 性善説、性悪説については研究したわけじゃなく、あくまで個人の体験レベルでの使用法に拠る概念なので、あなたの概念と違ってたらすいません。


善とは何か。悪とは何か、というのを考えるのも社会学ですので、きっとより深い思考ができると思います!

URL | さかもと #-

2012/07/27 19:21 * 編集 *

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