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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

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映画『凶悪』の凶悪的つまらなさにご回答を 

映画『凶悪』を鑑賞してきました。
以下ネタバレを含む上に、僕がどうしてもこの映画の良さをわからないので、それへの指摘になりますので「凶悪すごく好き!」という方はぜひ良さを教えていただけるとありがたいです。


※追記
ありがたいことにその後ご意見いただけました。
ご本人はコメントの公表を望まれておらず、僕の返信についても非公開にして欲しいということでした。
ですが記事の内容をより明確にし議論の質の向上ができたと思っているためどうしても非公開にするのは惜しいと思いました。
さらに議論の繰り返しを避ける意味でも必要だと思いました。
ですのでコメントへの返信は削除し、その代わりに記事の内容に追記することで保存していこうと思います。

以下の追記は赤い文字で表記していきます。




まずは箇条書きで気になった点を挙げますね。
気になったっていうかつまんねぇとこっていうか。


・最初の「事実をもとにしたフィクションである」とかいらねぇから
・時間軸を前後させる意味が無い
・素肌にスタンガンを当てておいて軽く蹴ったら「アザ残るからやめてください」とたしなめる
・見通しが良いところで車に轢かれる意味がわからない
・リリー・フランキーが瀧に「逮捕されても娘と奥さんの面倒は見るから出所したらまた一緒にがんばろう」って言われたのに瀧が復讐のために真相を暴露するのが意味不明
・五十嵐が実は裏切ってないとかどうやって刑務所の中でわかったのか
・長い
・感情移入できない
・リアリティが無い
・瀧でもリリーでもなく、実は山田孝之が凶悪、というわかりやすい映画的カタルシスすら無い
・リリーを使って山田孝之が母を捨てる、とかの映画的どんでん返しも無い
・結局これを見て楽しんでいるお前ら観客が凶悪なんだ、ともならない



以上です。

ひとつひとつ説明していきます。


【最初の「事実をもとにしたフィクションである」とかいらねぇから】

たとえば園子温の場合、「この物語は事実をもとにしている」などの宣言から始まる。
だけど『凶悪』ではフィクションであることを強調していて、まずここで映画に入り込むのを阻害されてしまいました。


映画のルールはわかりませんが「この物語はフィクションです」という一文を入れらければならないものなのでしょうか。無い映画も当然あります。


【時間軸を前後させる意味が無い】

たとえば『パルプ・フィクション』などからのブームで時間軸を前後させることで真相が明らかになる、という手法がありますけど、『凶悪』の場合は一切そんな爽快感が無く、ただ「映画の始まりはここにつながってたのね」というだけの事です。
つまりただストーリーが難解になっているだけで、そこを犠牲にしてまでの効果が一切感じられません。


観客が事件の概要を理解しやすくするために時間軸を前後させるのは良いのですが、そういう部分ではないところで疑問を持ちました。
例えば最初に橋の欄干にチンピラを立たせて川に落とすシーンが最初にあり、その後進むとそのチンピラが誰でどういう経緯かがわかるようになっている。でもそれだけです。観客は「ここにつながるのか」以上の感想を持ちません。



【素肌にスタンガンを当てておいて軽く蹴ったら「アザ残るからやめてください」とたしなめる】

ここはほんと意味不明でした。
酒の飲み過ぎで死亡したように見せよう、ということで身体にアザが残らないようにしたいのだとしたら、首筋にスタンガンを当てた時点で止めるべきです。
蹴ったあとは最悪酔って転んだように見えるかも知れませんが、スタンガンの火傷のあとは明らかにおかしいでしょう。


これはどうやら事実を忠実に再現しているようです。
でも観客には「なんでスタンガンはいいだ?」という疑問が残って集中できなくなってしまう。
なのでもし見せるとしたら、犯人たちの狂乱が観客に感染し理路整然としてない行動に飲み込まれてしまう、という映画的演出が必要だったと思います。



【見通しが良いところで車に轢かれる意味がわからない】

追われた男が逃げている途中でトラックに轢かれてしまいます。
トラックにまったく事故のあとが無いのも不可解ですが、かなり見通しが良いところで轢かれたのが納得いきません。
逃げるのに必死でトラックが見えなかった、というのはまぁ納得できるけど、トラックはもっと避けることが出来たはず。



どうやらこれは事故ではなく自殺ということらしいです。
実際の人物は高速道路を歩いて轢かれたそうで、それなら自殺行為ですから自殺とわかりやすい。
でも映画では事故のようにしか見えませんでした。




【リリー・フランキーが瀧に「逮捕されても娘と奥さんの面倒は見るから出所したらまた一緒にがんばろう」って言われたのに瀧が復讐のために真相を暴露するのが意味不明】
【五十嵐が実は裏切ってないとかどうやって刑務所の中でわかったのか】


瀧が演じるヤクザがいよいよ警察に追われて捕まるという時にリリー・フランキー演じる土地転がしが「娘と奥さんの面倒見てやるから早く出所してこい」みたいに持ちかけます。
その時にヤクザの舎弟である五十嵐がリリーに電話して逃走資金をせがまれたけど断った、とヤクザに告げます。ヤクザを裏切る奴は許せないからね、と。
これを聞いて瀧は舎弟を射殺するんですが、これがリリーの嘘かどうかはわからないんですよ。
でも瀧は面会室で「俺は信頼してた舎弟を殺してしまった。俺がつかまってリリーだけがのうのうと暮らしてるのが許せない」と山田孝之演じるジャーナリストに告げます。

意味がわかりません。
せっかく娘とかに援助してもらってるのに。
しかも五十嵐が裏切ったかどうかは刑務所の中では一切調べようがないのに。
そしてリリーを逮捕したい理由が「のうのうと生きてるから」って馬鹿なのか?




これも事実を忠実に再現したようです。
でもこちらも繰り返しになります。映画的に観客を納得させるべきです。
(もちろんすべてが説明的であることが良いということではありません。映画としてわかりづらい表現があったっていい。ただドキュメンタリー方面に進むにしても、編集などで観客に意図するものを伝えることはできたはずです)





【体感時間が長い、感情移入できない、リアリティが無い】


これらがありすべてが冗長に見え、登場人物の誰もが不自然なので感情移入もできず、ずっと映画に入り込むことができませんでした。



『凶悪』はたしかに事実に忠実でリアルかもしれない。
でも「リアリティ(本物っぽさ)」が無いのです。
どちらが上かということではなく、納得しやすさの話です。
「リアル(現実)」は理不尽ですんなり納得できることなど無い。
「リアリティ(本物っぽさ)」はすんなり納得できるか、です。

映画に入り込むためにリアリティは大事です。




【瀧でもリリーでもなく、実は山田孝之が凶悪、というわかりやすい映画的カタルシスすら無い】
【リリーを使って山田孝之が母を捨てる、とかの映画的どんでん返しも無い】
【結局これを見て楽しんでいるお前ら観客が凶悪なんだ、ともならない】


これらは映画的な手法の話になるのでどうでもいいというか、別にこういうのは求めてませんが、これらがあると最低限映画としては納得できた、ということです。

僕個人としては映画見て「あー楽しかった」というだけの感想しか出ない作品なんて見る意味がありません。
それでも作品として見た場合、これらがあると納得はできます。
「そういう教訓ね」みたいな。

『凶悪』はまず作品として意味がわからず、だから最低限映画的な作法で感動は無くても納得はさせて欲しいです。
映画見に来たんだな、と思わせて欲しい。

山田孝之はいくらでも凶悪オチに持って行けたでしょう。
実は調査は全部でっち上げで、状況証拠だけでリリーを追い込んでた、とかでもいいし、痴呆症の母親を一番殺したがってるのは山田孝之だった、というオチでもいいでしょう。
人の死で喜んでる観客が一番の凶悪だ、でもいいじゃん。

映像的に山田孝之の孤独感を演出して終了って。彼はちゃんと妻が逃げずに居続けるじゃん。出版社でも株が上がってるわけだし。


なんかもうどのシーンを切り取ってもイライラしてきます。


ツイッターで「タイトル通り凶悪的につまんなかった」とつぶやいたのですが、ツイッター検索すると賞賛の声ばかり。
マジで?
ということでこれらの疑問に答えてくださる方を募集したくてブログを書きました。

この映画のどこが最高傑作なのか教えてください。




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テーマ: 映画感想 - ジャンル: 映画

この記事に対するコメント

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| #

2013/09/30 01:53 * 編集 *

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| #

2013/10/01 13:24 * 編集 *

ついさっきレンタルDVDを見終わったところです。
まったくもって同意です!ほんとつまらなかった。
実存浮遊さんがおっしゃられてる通り、この映画何においてもオチが弱いんですよね。オチがないと見てる方はモヤモヤする⇒納得できないor意味不明ってなりますからね。忠実に再現するのは良いけど、映画的に筋を通すべきなんですよね。
個人的にプラスアルファで意味不明だったのは藤井の家庭不和についてです。主人公は仕事を休んで妻を助けることもしない、離婚もしない、そして結局は母親を施設に入れる。オチも何もなく、ただ暗い雰囲気になるだけ。それが狙いなのかもしれないけど、それなら他にも方法はあるわけで。映す意味あったの?って感じです。
あれ見ててイライラしかしなかった。

URL | #-

2014/08/18 01:34 * 編集 *

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます!


> ついさっきレンタルDVDを見終わったところです。
> まったくもって同意です!ほんとつまらなかった。
> 実存浮遊さんがおっしゃられてる通り、この映画何においてもオチが弱いんですよね。オチがないと見てる方はモヤモヤする⇒納得できないor意味不明ってなりますからね。忠実に再現するのは良いけど、映画的に筋を通すべきなんですよね。


これよりも凶悪な事件なんていくらでも映画化されてるわけで、タイトルもキャッチコピーも煽り過ぎという感じです(笑)。
脚本を担当した方がおっしゃるには原作に忠実に作ったそうですけど、だったら時間軸を前後させるなどの手法は使わないで欲しかったです。



> 個人的にプラスアルファで意味不明だったのは藤井の家庭不和についてです。主人公は仕事を休んで妻を助けることもしない、離婚もしない、そして結局は母親を施設に入れる。オチも何もなく、ただ暗い雰囲気になるだけ。それが狙いなのかもしれないけど、それなら他にも方法はあるわけで。映す意味あったの?って感じです。
> あれ見ててイライラしかしなかった。


主人公が家庭をかえりみずに事件に没頭していくわけですが、そのまま家庭が崩壊してくでもなく、妻が母親を殺すでもなく、映画的なびっくり感もまったくなく、かと言ってドキュメントみたいなヒリヒリ感もなく。
出演者が良いだけにいろいろもったいない感じでした。

URL | さかもと #-

2014/08/18 21:59 * 編集 *

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