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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

2&ワンマンでロックに沈む 

高校生の頃筋肉少女帯ばかり聴いていた。
兄の影響で大槻ケンヂの本を読み漁っていた僕はアルバム『ステーシーの美術』が出たぐらいにCDを買い集めるようになった。
「再殺部隊」や「大釈迦(歴代の筋少ギタリストがソロを弾きまくるバージョン)」や「小さな恋のメロディ」が好きだった。
三柴理がピアノで奏でる「黎明」から「もーれつア太郎」なんて美しいしかっこいいしで何回も繰り返し聴いた。

当時はオーケンの下手なボーカルと超絶技巧のギタリストが魅力、みたいに考えてたけど、今思えばオーケンの歌は下手なんかじゃなく「誰にも真似できない」というのが真実だと思う。

その後僕はロック少年に傾倒していくのでもなく、青森から東京に上京し、気付くと筋肉少女帯は大槻ケンヂと橘高文彦が脱退し、オーケンは特撮というバンドを新たに作ったのでオーケン見たさにライブに通った。
特撮の曲も大好きで「戦え!ヌイグルマー」は小説にもなり、舞台となった高円寺に行くほど素晴らしい小説だった。今度しょこたん主演で映画化されるので絶対見ます。

ちなみにももクロには特撮のギタリストNARASAKIが参加してるということですんなり入ることができた。


ロックンロールを聴きまくったわけじゃないけど、内にロック魂を押し込めながら生きてきたということだ。


10/14に新宿MARZにて2&のワンマンライブが行われた。
2&の曲は元ロックミュージシャンが作っていて、これがなんともうまく僕に入り込んできた。

2000年代僕はGO!GO!7188にハマったが、その時代に聴いたジャパンロックの空気感があった。

しかもももクロから地下アイドルに入って行き「アイドル曲ってやっぱ乗れねーな」と考えてた時期に2&の曲に出会ったので衝撃が大きかった。
特撮のライブに行きまくってた頃を思い出した。
しかもロックに合わせて激しく踊るなんて!
2&は振り付けも魅力的なのでわりとあっさりハマった。

普段2&は音源を流しながらパフォーマンスをする。
でもワンマンの時はギターとベースとドラムを従えてパフォーマンスをする。
このバンドの音圧を感じながら小さな少女の歌と踊りを見続ける。
これがすごい体感だった。
ずっとバンド込みの2&を見たかった僕はようやく念願叶った。

この日はセットリストを決めないでスタートするという暴挙に出る。
しかもももクロの『行くぜっ!怪盗少女』のカヴァーを初披露!
(おそらくもう二度とやらないだろう)
さらにレッドホットチリペッパーズのカヴァーも行った。
レッチリと言ってもジョジョの音石明しか知らないのでどんな挑戦なのかわからなかったが、Sakiちゃんにとってはこの日いくつもの試練が降りかかっていることになる。


ワンマンの直前に一人が脱退しSakiちゃん一人だけになった2&。
2&を知ってる人にとっては一大事であり存続の危機であると思ってる人が多いかも知れないけど、一人になってからの2&を見るチャンスがあった僕にはそんな心配はいらないと思えた。
それはロック(=生き様)を見せつけられたからだろう。


新曲『片眼のLiliy』は振り付けが無く棒立ちのまま無表情で歌う。
プロデューサーいわくこれは「Sakiにしか歌えない曲」だそうだ。
感情をあらわにしない無機質なパフォーマンス。だがその奥底にかすかに見える悲痛さ。
(社会学者宮台真司に倣ってあえて表現するなら「悲しんでくれる人の不在すら悲しめない危うさ」とでも言おうか)

そして「誰か私を 助けて!助けて!助けて!」と絶叫する姿は否応無く今のSakiちゃんの叫びにしか思えず、僕は肌がビリビリと震えた。


『未来を』はプロデューサー兼ギタリストが歌うバージョンも披露。
これはかなり昂ぶった。
Sakiちゃんのリクエストで無理にセットリストにねじ込み、ファンが煽って実現したんだけど、プロデューサーがSakiちゃんに対し「(ステージから)降りてそこで見とけ」と言ったのが良かった。
そしてじっと見つめるSakiちゃんのうしろ姿を見て強固な師弟関係のようなものを感じ取る。


行動は言葉を超える。
当たり前の話だ。

例えば目の前に倒れてる人がいて、その側で「誰か助けてください」と言ってる人がいるとします。
これは言葉でお願いするパターン。
もう一方は、まず自分が必死になって倒れてる人を救おうとする姿を見せつけるパターン。
もちろんこの人自身は見せつけようとすら思っておらず、ただ助けたいと強く思ってるだけだ。
これは行動が行動を惹起するパターン。

言葉や文字だけでは凄味は伝わらない。
でも行動する者にこそ人は行動を提供してくれる。

この日のプロデューサーとSakiちゃんはジョジョ5部のプロシュート兄貴とペッシのように行動で示し魂で理解してくれたんじゃないかなと思う。

言葉なんかクソッタレだ。
我々は言葉を理解するために生きるんじゃなく世界を理解するために生きるんだ。
「世界」というのは各国の意味ではなく、この世の全体という意味。


言葉を削ぎ落として書くと「ワンマンすげぇ!見れねー奴残念だったな!」ということ。

今というのは今しか見れない。
ワンマンのこの日は、「今のSakiちゃん」というのが鋭利に研ぎ澄まされキラッキラに輝いていた。
新宿MARZは「今」が精製された空間だった。

バンドの音に殴られ、鋭利で悲痛な叫びに突き刺され、最高な気分だった。
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テーマ: 日記 - ジャンル: 日記

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