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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

映画『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』の矮小さを引き起こした我々 



まどマギの新作を見てきました。
以下テレビシリーズと映画版のネタバレを含む批評なので了承の上お読みください。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語






前作の映画版のラストで僕は衝撃を受けました。
なぜならあの作品の続編を無理矢理作るという予告が流れたからです。

資本主義というのはなんて怖いのだ、と思いました。
『魔法少女まどか☆マギカ』はまどかが世界のシステムを改変し、ただ一人まどかが犠牲になることですべての魔法少女を救いました。
観客と暁美ほむらだけがまどかの事を忘れずにいられるが、まどかはこの世界から消滅してしまう。


だけど映画の予告ではまどかがしっかり映っていました。
金儲けはこの素晴らしいアニメの結末すら歪めてしまうのか、と衝撃を受けました。


そして実際に新作「叛逆の物語」を見たらテレビシリーズと正反対の展開にこれまた衝撃を受けたのです。
つまりあの時感じた感動や壮大さを超えた人智の及ばない部分についての畏怖などはまったくなく、むしろ下らなさを我々に突きつけてきたのです。
だから製作者の意図通りに僕はわかりやすくこの作品を批判します。

さらにはこの映画を絶賛している方がいるので、どのあたりが素晴らしいのかを教えていただきたいということもあり、あえてわかりやすく批判していきます。



「叛逆の物語」は文字通りテレビシリーズの結末を否定するお話です。
まどか一人が犠牲になることで世界のシステムを改変しすべての魔法少女が救われた。
しかしその後に訪れた世界は暁美ほむらが望む世界だった。
まどかと共に過ごす日常。

世界が改変している事に気付いている唯一の存在である暁美ほむらはすなわち我々観客の事だ。

つまり作者は我々に「これがお前らの望む世界なんだろ」と突きつけているわけだ。


暁美ほむらが魔女となることでまどかなどがいる望むべき街を構築する。


魔女と化したほむらが宇宙意思となったまどかをこの世界に呼び戻す。
そしてまどかのシステムを奪うことで「まどか一人が犠牲になりすべての魔法少女が救われる世界」が「すべての魔法少女が犠牲になることでまどか一人が救われる世界」に書き換えられる。
ほむら=観客がしでかした事は、美樹さやか世界から退場する原因となったカップルを微笑ましく見守るようなぬるい社会にし、弱いまどかが世界とつながったほむらに守られるようなぬるい日常にした事だ。

こんなクソつまらねぇ社会を我々は望んでいたということだ。
愛という言葉で真っ黒な感情を隠し正当化する。
宇宙意思と化したまどかも、まどかを呼び戻し世界とつながったほむらも、どちらも覚悟を持って世界を書き換えたように見える。
だが決定的な違いは、まどかは利他的であるのに対し、ほむらはどこまでも利己的なことだ。


僕の不満はわかりやすく書くとこういうことだ。

こんなわかりやすい対比で観客をげんなりさせるというわかりやすい展開にしてしまったこと。
前作が宇宙に広がったから、今作は自己にまで矮小化させるというわかりやすい対比。

見た人誰もが納得しやすい結末。
だからこそ納得がいかない。
もちろんこの映画は興行的にも成功だろうし、賞賛する人が多いことからも作品としても大成功だろう。

でも、と僕は言いたいということだ。

当然最初の作られた生活の違和感をにじませる作りとか、生理的に不安にさせる異空間の映像とか、素晴らしい点もいろいろありますよ。最後まで飽きさせないし。


ただ、「ファンが望む続編ってこんな醜悪なんだぜ」って言うメッセージには、あえてわかりやすく乗って批判してしまいます。
もちろん批判させる力がある作品ということも認めております。

ここまで作品を壊したのならば絶対に続編は作らないで欲しいですね。
様々な国の言葉で「完」と出したのは、これで完全に終わりという意思だと思ったのですがどうですかね。



まとめます。

まどかが宇宙意思になったということで、もうこの終わり方は越えられない、という諦めからこんな矮小化した結末にしたのではないか。
しかも観客を馬鹿にしたやりかたで(観客を馬鹿にするのは別に良いんですけどね。このわかりやすさこそ唾棄すべきものと思っているのです)。

ほむらのみが救われる社会というのはまさに現代社会の澱のようなものだ。
つまり利己的に振る舞うのが優先されるクソ社会。
こんなくだらない社会になったまま終わったのが納得いかないのです。



この作品に衝撃を受け、感動し、涙した人にこそ僕の間違いを指摘していただきたいです。
あらかじめ回避しますが、映画としては認めてます。
気に入らないのは矮小化してること一点。
そういう円環にしたのがつまらないなぁ、と思ったということでした。



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テーマ: 映画感想 - ジャンル: 映画

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