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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

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社会を生きていくには信頼するしか無い [2008年11月27日(木)] 

■ 信頼するってどういう事なんだろう

「中高生から考える社会学」第4回は、「信頼」についてです。

みんなもよく、「ずっと信頼してた友達に裏切られた」とか、「人を信頼するのが怖い」とか悩んだりすると思うんだけど、人を信頼するかどうかの基準ってなんなんだろう。
そもそも、「信頼」ってどういう事なんだろう。

最近ニュースをにぎわせている「食品偽装問題」というのがある。よくコメンテーターが「食への信頼が揺らいだ」とか言ってるよね。
なんで僕たちはこれまで「食の信頼」をあてに出来てたんだろう。なんで今「食の信頼」が揺らいだんだろう。


■ 不確定な成功体験=信頼?

学校帰りにファーストフード店に寄る人も多いと思うけど、なんでどこの誰だか知らない人が出してきたハンバーガーを平気な顔して食べられるの?
なんの肉かもわからないし、ジュースに何が入ってるかもわからない。
でも僕たちは、「ハンバーガー」を注文したら「ハンバーガー」が出てくると信頼し、おいしく食べてる。

ここで行われているのは、

・みんなと一緒感覚
・成功体験の反復

の2つだ。それぞれ考えてみよう。
「みんなと一緒感覚」というのは、他の人たちを自分と同じような立場に置き換えて感じる事だ。
レジに並んでいる人を見て、「この人は得体の知れないバーガーや、毒入りジュースが出ないと信頼してるから並んでるんだ」と思い込む。
実際その人が毒入りジュース好きかどうか聞いたわけでも無いのに、自分と同じ立場だと思ってしまう。
これが「みんなと一緒感覚」だ。

次は「成功体験の反復」について。
みんなは、コンビニで買い物したり、切符買って電車に乗ったり、CDショップでアルバムを買った事があるよね?
自分は無くても、親や友達がしているのを見た事ぐらいはあるだろう。
それこそが「成功体験の反復」だ。

社会で生活していく上で、「お金を払ってものを買う」というのを体験していく。
誰だかよく知らない店員だけど、お金を払うと自分の望み通りの事をしてくれる。
その成功体験があるから、ファーストフード店にも安心して行けるんだね。

これらをよく理解するために、一旦頭を真っ白にしてみよう。
固定観念を捨てるんだ。

コンビニに行って、おかしとボールペンをレジに出したとしよう。
でも店員は、そのおかしを食べ出し、しかも芸能人みたいに紙にサインを書いて君に渡したんだ。
確かに君は「これを買いたいので売ってください」とは言ってなかったけど、普通はそんな事しないよね?
少なくとも「これ食べてください」とか「サインしてもらえますか?」という意味で、レジの店員に出したわけじゃないはずだ。

なんだかよくわからないまま駅へ。
切符売り場の行列に並んでいると、前の方から「やったー」とか「ちくしょー」とか聞こえてくる。
不安に感じたまま自分の番になり券売機の前へ。
切符を買ったつもりが、「末吉」という紙が出てきた。

どうだろう。こんな社会に暮らしたいと思う?
確かに、生まれた時からこういう状況だったら、なんの違和感も無く生活できるだろうね。
この「なんの違和感も無く生活できるだろう」という見えない期待こそが「信頼」の正体なんだ。
不確定な成功体験が「信頼」のベースなんだね。


■ 社会を生きていくには信頼するしか無い

「信頼」がどれぐらい大事かわかってもらえたと思うんだけど、みんなはこれまでここに書かれたような事を考えた事があったかな?
たぶんほとんどの人が考えた事が無いんじゃないだろうか。
と言うのも、「社会」というのはそういうものだからなんだ。
みんなが、「この店員何すっかわかんねぇ」とか「電車に乗っても目的地に着かないかもしんない」とか不安にならずに済む社会。
そんな無駄な事をわざわざ考えなくても良い社会。
それが僕らが目指すべき「社会」なんだ。

だって、いちいち相手の身分証明証を確認しなきゃなんない社会とか、お店が常に客をだまそうとしている社会なんてイヤでしょ?


前項で「みんなと一緒感覚」と「成功体験の反復」という話をした。
でもわざわざこういう事を教えられた事は無いと思う。
小さい時から親の買い物姿を見たり、おこづかいでお菓子を買ったりして、社会生活を過ごしている現在の君たちがあるはずだ。

つまり「信頼社会」というのは、教えられるまでもなく教わる事ができている社会という事なんだ。
食品偽装問題は、もともと信頼する土台なんて無かったという事実がみんなに知れ渡ったから、社会が不安になってるんだね。

よく先生の不祥事がニュースで取り上げられます。
他校の生徒とセックスしたとか、女子更衣室を盗撮したとか。
そうなると、誰も先生という職業を信頼しなくなります。
つまり「先生」というのは、たまたま今まで社会的に信頼できるように設定されてただけ、という事です。

このように、現在は「信頼社会」が揺らいできています。
かつてなら無条件で信頼できていたものが信頼できなくなっている。
信頼しようとわざわざ思わなくても良かったものが、信頼すると決めなければ信頼できなくなっている。
言い換えると、信頼によるリスクを計算せずにはいられなくなった、という事になるでしょう。


■ 信頼する仲間はどうすればできる?

前項で、現在が「信頼社会」から「不安社会」にシフトしてきている事を書きました。
「信頼」というのは元々不確かなもので、それが明るみに出てきたので、信頼を裏切られないように警戒するようになる。

ここで、一番最初の問題に戻ろう。
信頼してた友達に裏切られたとか、人を信頼するのが怖いという、君たちが一番悩む問題。
ここまで読んでくれたみんなはすでにわかると思うけど、「友達」というのはそもそも信頼できないものなんだ。
君の友達は、なんで「友達」なんだろう。
同じクラスだから? 話が合うから? 近所だから?
もし同じクラスじゃなかったら。話が合わなかったら。近所に住んでなかったら。その友達は「友達」にならなかったんだろうか。

さっき出た「望んだ行動をしないコンビニ店員」を思い出そう。
この店員からわかるように、現在コンビニで普通に買い物できるのは、たまたまそのようになっているからだ、という事がわかるよね。
つまり、信頼とは不安定だという事だ。

では「友達」はどうだろう。
実は友達も一緒なんだ。友達だけじゃなく、恋人もそうだし、家族だってそうだ。
友達を信頼したり、恋人や家族を信頼するという事は、そもそも不安定な事だ。
何が言いたいかって言うと、友達に裏切られたからと言って、君が泣く必要は無いって事だ。
その友達の状況や住む環境。体調や時代によって、裏切るか裏切らないかは大きく変わってくる。
これは想像しやすいと思う。

「だったら誰も信頼できないじゃないか」と思うかもしれない。
でも「社会を生きていくには信頼するしかない」という項目で書いたように、自覚的に、無自覚的に関係無く、信頼するしかない。

みんな無意識に、「家族ならこれぐらいしても裏切りにならない」とか「恋人だったらこれをすれば裏切りになるかも」とか「友達にこれをしたら裏切りだ」とか思っているだろう。
自分と相手の考え方の違いから、相手の裏切りが許せなかったり、自分が裏切ったと思ったけど許されたりする事もあるだろう。
許せるか許せないか。自分と相手の許容度がどれぐらいか。
それらが重なり合って「絆」が深まる。

ではここで、二者択一の質問をしよう。
「二者択一の問題を出す者は、どちらか一つを選ばせようと意図している」という事についても書きたいけど、話の軸がぶれるからここでは触れないでおこう。

では質問。
君はどちらの人と友達になりたいかな?
・人は元々信頼できないから、いつでも裏切れるように身構えている人
・人は元々信頼できないとしても、それを踏まえた上であえて信頼しようと心掛ける人

答えは明白だね。
人は、理屈なんて関係無く、ただ信頼したいから信頼してるだけって人に惹かれるものだ。
裏切られたら離れれば良い。だから裏切られるまではずっと信頼する。
さっきも書いたように、どんな人でも、時代や状況が変わる事で、本人さえも予測しなかった行動や態度を取る。
だったら信頼するのが嫌になったら信頼するのを止めればいいだけの話だ。
「友達に裏切られた」とか「人を信頼するのが怖い」なんて悩む必要は無い。
人はいつでも裏切る可能性はあるし、だからと言って人を信頼しないで生きていくのはもったいない。

「不安社会」よりも「信頼社会」の方が生きやすい。
同じように、「不安ベースの人」よりも「信頼ベースの人」と一緒にいる方が楽しい。人も集まってくる。
信頼できる仲間を作るにはどうすればいいのか。
それは君が相手を信頼すれば良いだけの事なんだ。

言葉遊びにしか思えないかもしれないけど、君が相手を信頼してて、相手も君を信頼している場合、「裏切る」なんて状況は一切入り込む余地が無い。

まとめよう。
社会は元々信頼できない。たまたま信頼できるように設計されていただけだ。
友達や家族も一緒。今まで信頼できたから、これからも信頼できるだろう、と思い込んでるだけ。
だからもし君が裏切られたとしても、君は泣く必要は無い。
去っていく人を見送り、今居る仲間をどこまでも信頼しよう。
そういう君だからこそ信頼できると思う人が必ず現れる。
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テーマ: 哲学/倫理学 - ジャンル: 学問・文化・芸術

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