09« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»11

実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

悪夢ちゃんスペシャルで泣く 

『悪夢ちゃん』のスペシャルドラマが期待以上の出来映えで驚いています。

クリスマスに放送された『天使とジャンプ』はももクロらしさを強調しつつももクロらしさが出しきれなかったのに対し、『悪夢ちゃんスペシャル2014』は映画の宣伝ドラマであるにも関わらずももクロのストーリーがとても強烈に反映されていた。

なぜか。
ポイントはデタラメさと玉井詩織だ。


■ デタラメさが翻身を呼び起こす



ももクロはデタラメである。
(『<世界>はそもそもデタラメである』宮台真司著参照)

ももクロを見ていると「なぜ?」という疑問が噴出することでしょう

なぜももクロに惹かれてしまうのか。
なぜももクロはここまで突き抜けて行動するのか。
なぜももクロでなければならないのか。
などなど。
(詳しくは秋に完成予定のももクロ論壇第三弾に寄稿する「アイドル感染拡大」に書きます)

「なぜ?」にずっと答えが出ないのは、それが「デタラメ」だからだ。
説明不能で理解不能。
人はそのようなものに惹かれる。

細かく言うと、説明できるものにも惹かれるが、その場合は移ろいやすい。
例えば「好きなタイプの女の子」。

顔がかわいいから好き。優しいから好き。気が合うから好き。料理が上手だから好き。などなど、こういった説明可能なものは、同じ条件の別の女の子でも良いという事を示す。
さらにかわいかったが如きで、さらに優しかったが如きで、さらに気が合うが如きで、さらに料理が上手いが如きで、好きな女の子が変わって行くという事だ。

でも「デタラメさ」は違う。
なぜかわからないけどももクロじゃなきゃダメだ。

ももクロのダンスをももクロより上手く踊ろうが、歌をももクロより上手く歌おうが、ももクロよりかわいかろうが、そうではない、となる。

それは悪夢ちゃんが先生に影響されたことにも通じる。

北川景子演じる彩未先生は、他人にどう見られるかを常に意識し、笑顔の仮面を被って評価を高めようとする浅ましい人間でした。
でもそれが悪態をつきながらもなぜか人を救う存在になった。

悪夢ちゃんはこの、腹黒く自分の利益しか考えて無いような人間であるにも関わらず、なぜか困っている人を助けまくる先生の理解不能さに惹かれます。
そして教育というのはこうあるべきなのです。

ちなみに、科学者の夢を持つ少年の花火になぜか協力する助手(『ごちそうさん』のめ以子の幼馴染でしたね)というのも理解不能であり、その行動に優香演じる平島先生が惹かれるのも当然のことです。


人はそもそもすべて説明的に動いていない。
理由もなくすることがある。あとで説明を付けることができるけど、その時はなんだかよくわからないけどなぜか行動していた、ということがある。


そう言った部分がわかりやすく描かれていたシーンが、玉井詩織と高城れにの夢についての作文発表である。



■ なぜ玉井詩織なのか


あのシーンでは、玉井詩織の作文内容はつまらなく感じ、高城れにの作文内容はおもしろく感じるよう演出されていた。
(その後の小学生の反応と、きもクロのダンスを見た後の小学生の反応もわかりやすい対比となっている)


玉井詩織を生徒会長としたのはこのドラマの成功要因であろう。
優等生的な振る舞いをし、いろいろな事をそつなくこなす。
すべてを把握しているように見え、実は他のメンバーに憧れている。

ももクロファンにとって4人と玉井詩織を分けた配役はとても響いたのではないだろうか。
4人はそれぞれ個性を加速させて行く中、しおりんと言えばこれ!という部分がわかりづらい。
しおりん推しが推し変するのが特に目立つような気がするのもこのせいかなと思っています。

ダンス部の中で引け目を感じていた玉井詩織がメンバーから抜けるというのはパラレルワールドのももクロとしてありえそうな話で心が痛くなる。
クイックジャパンをお読みの方はご存知のように、「米子の夜」が無ければもしかしたらふわふわした関係性のままどこかのきっかけで5人はバラバラになっていたのかも知れない。


なんでも器用にこなす玉井詩織が、メンバーの足を引っ張らないように一人身を引く、という構図はももクロファンであれば誰もが知っている。
Z以降のファンでもZ以前について知っている。

玉井詩織があの役をこなし、ドラマ全体を象徴できたのは、他でもない玉井詩織だからだ。
他の4人がもし生徒会長役をやったとしたら、ここまでわかりやすいものにはならなかった。
それは演技力の問題ではなく、彼女の背景にあるストーリーの問題だ。


5人と一緒になって踊るというデタラメさでもってすべてをまとめ上げる彩未先生と、それに影響を受ける悪夢ちゃん。


このドラマを見る前は、ももクロが客寄せパンダで目玉は北川景子と一緒になって踊るって事か、と軽く思ってた僕ですが、見てみたらももクロファンに突き刺さる内容で、かつももクロを知らない人にもわかりやすく描かれていて、しかも子供が見ても浅ましい人間とそうでない人間(デタラメな人間)が区別できるようになっており、さらに映画版へとつなげるといういくつものハードルを越えまくったドラマでした。

スポンサーサイト

テーマ: ももいろクローバーZ - ジャンル: アイドル・芸能

この記事に対するコメント

昔のブログで玉井詩織にも他のメンバーが壁を越えて成長したように何か壁が必要だという旨の事を書かれていたと記憶しています。
今でもそう思いますか?
玉井詩織は確かにわかりやすいこれといった壁を乗り越えたわけではないのかもしれません、ただそのせいで他のメンバーに比べて成長が遅れていると感じますか?

URL | にし #QjSZ2aSY

2014/05/03 00:57 * 編集 *

にしさんへ

コメントありがとうございます!


> 昔のブログで玉井詩織にも他のメンバーが壁を越えて成長したように何か壁が必要だという旨の事を書かれていたと記憶しています。
> 今でもそう思いますか?
> 玉井詩織は確かにわかりやすいこれといった壁を乗り越えたわけではないのかもしれません、ただそのせいで他のメンバーに比べて成長が遅れていると感じますか?


しおりんは壁が無いのが壁なのではないかと思っていて、それは今も変わりません。
玄冬で歌った尾崎豊の「卒業」で殻を破ったように感じました。
国立での最後のメッセージでも「ももクロを存続させたい」と宣言し、かつての「なんでもこなせてしまうしおりん」というものから飛び出した印象です。
今年もしおりんから目が離せないですね。

成長が遅れてるように見えるというか、他のメンバーより伸びしろが見えづらいんでしょうね。
Z以前はリーダーらしくなくあかりんに頼ってた部分があった夏菜子ちゃんですが、最初からリーダーらしさがあったらここまで感動を引き起こさなかったでしょうね。
れにちゃんなども関係者が「高城は変わった」と口々に言いますが、最初からしっかり者だったら成長が見えづらいでしょう。

メンバーの中でしおりんはしっかり者なので損しているという感じです。

URL | さかもと #-

2014/05/03 10:00 * 編集 *

玉ちゃん良かったですね。普段ほぼ元気で明るい姿しか見えないから暗い顔やれにちゃんと言い合う姿は斬新でした。

論点がずれてたらすいませんが、クイックジャパンは玉ちゃんのだけ感動しませんでした(笑)玉ちゃんはももクロのなかで一番フラット感じがします。

しかしながら最近の可愛さは異常です!

URL | J・フェニックス #-

2014/05/03 11:59 * 編集 *

J・フェニックスさんへ

コメントありがとうございます!


> 玉ちゃん良かったですね。普段ほぼ元気で明るい姿しか見えないから暗い顔やれにちゃんと言い合う姿は斬新でした。
>
> 論点がずれてたらすいませんが、クイックジャパンは玉ちゃんのだけ感動しませんでした(笑)玉ちゃんはももクロのなかで一番フラット感じがします。
>
> しかしながら最近の可愛さは異常です!


シリアスな演技のあとでももクロChanのしおりんの表情を見るとホッとしますね(笑)。
そこまで仲がよくないという設定もなかなか新鮮でした。

クイックジャパンなどのインタビューでもなかなか本心を見せないですからね。
インタビュアーが求めているものを察してその範疇で答えてしまうのかも知れません。

それにしても玉井生徒会長はかわいかったですねぇ。
悪夢ちゃんと二人でベンチで座ってるところなんてどっちもかわいくて参りました(笑)。

URL | さかもと #-

2014/05/03 17:37 * 編集 *

△top

コメントの投稿

Secret

△top

トラックバック

トラックバックURL
→http://jitsuzonfuyu.blog111.fc2.com/tb.php/1960-20c2fe8d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△top