12« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»01

実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告  /  tb: --  /  cm: --  /  △top

『百瀬、こっちを向いて。』に描かれる永遠にこっちを見ない百瀬から嘘社会のくだらなさを知れ 

『百瀬、こっちを向いて。』を鑑賞しました。

原作を読んでたんですが内容はほぼ忘れてました。乙一作品が好きなんですか映像化は期待はずれのものが多く、今作の映画もあかりん目当てで見に行きました。

以下ネタバレを含みますのでぜひ映画をご覧になってからお読みください。


まず映画についてですけどつまんなかったです。
学生時代の思い出と現在が交互に進行していくんですが、そこにメリハリも無くだらだらと進んでいく感じです。
ただ早見あかりが登場すると画面が一気に開けていきました。
これは映画というよりも早見あかりのPVなんですね。

撮影は彼女が18歳の時だと聞きましたが、10代で学生役を演じる映画で主演を取れてとても良かったと思います。

映画を見ればわかりますが、生足を写し出すカットや胸元を写すカットが多く、女子校生がとても性的に描かれています。
ですが早見あかりの存在感が女性的でありつつ、それでも決していやらしくない百瀬という女の子を表現していました。

原作の百瀬がどんな女の子だったか忘れましたが、乙一が描く女の子ってみんな魅力的なんですよね。すごくかわいい。特にサブカル好きにはたまらないものがある(笑)。
でも内面描写などで構築していくものであり、決して映像化はできない部分だと思うので、原作の百瀬と早見あかり版百瀬は全然別だと思います。
そもそも身長が違うでしょうし。

ですが原作を忠実に描くことが善とは思いませんし、あかりんとしての魅力を全面に押し出したこの映画は、あかりん初主演映画として大成功だと思います。

とにかくこの映画は早見あかりを見てれば良い映画です。
逆に言うとそれ以外見所がありません。


ただ一点ものすごく寓意的な場面があります。
この一点が無ければ映画として何も引き締まらず弛緩したまま感動も無く終わっていたでしょう。

それは百瀬の家庭を描いたシーンです。

学園生活は白くモヤがかかったような印象で現実感がありません。
それゆえにあかりんがとても美しく見えるのですが、会話もつまらないし言動もちぐはぐなので、その嘘っぽさにとてもイライラしてきます。
例えば百瀬が黒縁メガネの男の子に放課後一緒に帰るよう命令するのですが、「屋上で待ち合わせ」と告げるのです。
普通帰るなら下駄箱でいいじゃないですか。しかも二人は恋人同士だと周囲に思い込ませる使命があるわけで、下駄箱の方が好都合なはずです。
でも屋上のキレイなカットを撮るためだけの口実です。

このように学園生活は嘘でまみれています。

ですが家に帰った百瀬は違います。
薄いモヤは消え去り、妹や弟の面倒をし働かない父親や夜勤の母親の代わりに家事全般をこなす生活感あふれる少女が描かれます。
どうやら貧しい生活のようですが、学校にいる時よりも笑顔です。

つまり、そもそも学園生活は嘘まみれなんです。
だからモヤがかかって現実感が無いんですね。

この家庭での百瀬のシーンのおかげで映画全体が引き締まりました。


黒縁メガネの男の子はその後百瀬に惚れている事に気付き、振り向いてくれない百瀬と付き合えないままです。
その後小説家になり初恋を描いた小説を出版します。
でも彼はその初恋をフィクションと言うんですね。嘘だと言うんです。

一方百瀬は好きな先輩から縁を切られる手紙をもらい現実を突きつけられます。
愛は無くても金がある令嬢と、貧乏でもただ好きなだけの女子校生とでは、令嬢の方を選ぶのだ、と。
そこで百瀬は嘘の空間に生きることに気付いてもいない黒縁メガネの告白もあっさり断り、振り返ることもなく前を向き続けます。
この時あかりんは大号泣だったそうですが、この顔を映画に残さなかったのは監督の英断だったと思います。百瀬は前を向き続けるのです。

その後初恋を小説にしつつも「フィクションです」と言い切る男は、令嬢の思惑に十数年経ってようやく気付く鈍感さを見せ、いまだに結婚できずにいる。

男が十数年ぶりに故郷に戻り歩いていると百瀬と思われる女性とすれ違います。
男は百瀬だと気付くんですが、百瀬は振り返りもせず通り過ぎていく。
これがこの男の圧倒的な鈍感さでもあり、女子高校生時代の百瀬が失恋しこの男に振り返らなかった(つまり嘘ではなく現実を見続けた)力強さでもあります。


この映画は見ててもつまらないです。
ですが、早見あかりの不思議な存在感を美しく描き、現実を直視せず嘘にひたっている男のくだらなさを描き出した作品です。
あかりんの事を少しでも知ってる方は見るべきです。
そしてぼんやりとモヤがかかり、優しく温かく、そして何も得られない嘘社会ではなく、絶望し断念し現実を直視した百瀬の美しさから学びを得るべきなのです。


スポンサーサイト
未分類  /  tb: 0  /  cm: 2  /  △top

この記事に対するコメント

百瀬見ました。自分も高校の頃こういう風に思ってたなとか思いだして見てました

前の週に悪夢ちゃんの映画を見ていたのですがそれよりも面白かったです

ただ、何回も見る映画ではなくかんじます。Blu-ray、DVD化されてもメイキングは気になりますけど買って何回も見る気にはなれないですね。同じところには留まってはいられないですよね。最後の最後でそういうシーンが出てきましたけど。

あかりんが百瀬役になったのはウレロをやっていたイメージというのが大きいような気がしました。

僕としてはあかりんが役者としてどうかというところはこの作品を見て判断しようと思っていましたが、それは持ち越されました。
10月からのマッサンに期待です。

ちなみに、年末の紅白歌合戦には(朝ドラの主要キャストなので)当然顔を出すと思いますが、ももいろクローバーZと同じシーンではない時だと思います。NHKを代表するドラマで主演のときがいいですね

URL | ポルカ #3SsthC8g

2014/06/02 10:27 * 編集 *

ポルカさんへ

コメントありがとうございます!


> 百瀬見ました。自分も高校の頃こういう風に思ってたなとか思いだして見てました
>
> 前の週に悪夢ちゃんの映画を見ていたのですがそれよりも面白かったです

悪夢ちゃんは30分短くしても良かったかなと思います。
前半のギャグパートは無くていいかなと。
全編重くて良かったと思います。


> ちなみに、年末の紅白歌合戦には(朝ドラの主要キャストなので)当然顔を出すと思いますが、ももいろクローバーZと同じシーンではない時だと思います。NHKを代表するドラマで主演のときがいいですね

なるほど。
NHKとしては共演させたがるんでしょうけどね。
川上さんが断るのかどうなのか。
目が離せませんね!

URL | さかもと #-

2014/06/04 03:28 * 編集 *

△top

コメントの投稿

Secret

△top

トラックバック

トラックバックURL
→http://jitsuzonfuyu.blog111.fc2.com/tb.php/1978-3685aa68
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。