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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

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『恋するハローキティ』が描く残酷な世界 


演劇女子部 「ミュージカル 恋するハローキティ」を鑑賞しました。

ハロプロのJuice=Juiceがメインキャストを努めるミュージカル。
ちなみに僕はJuice=Juiceでは宮本佳林ちゃん推しだ。ショートカットだから。
スマイレージはおはガールだった子が好きだったけど辞めてしまった。
℃-uteでは岡井ちゃん推しだ。ショートカットだから。あとバナナ塾に出てていい奴だったから。
Berryz工房ではももち。ももち結びじゃない時が好き。顔が。プロ根性も素晴らしいし。
モー娘。は鞘師ちゃん推し。顔が好き。モー娘。のメンバーは大体好きです。

という感じで最近めっきりハロプロに詳しくなってきました。
連れの勧めで動画とか見てたらおもしろくて。


ということで舞台の感想です。
ネタバレ含みますので残りの公演やDVD化をお待ちの方はご了承の上お読みください。


ストーリーはこうです。
おもちゃの世界の住人であるキティは人間界のおもちゃに魂を埋め込まれ人間を笑顔にするのが至上の喜びだ。
だがおもちゃになると音も聞こえず、目も見えず、しゃべることもできなくなる。ただ温度だけを感じることができるのみになってしまう。
神様に選ばれ人間界の人形に魂を移すことができたキティ。抱きしめられ幸福を感じるが、それは長く続かなかった。少女の涙を感じ、すぐに雨の中外に投げ捨てられてしまったようだ。
冷たい中凍えるキティ。
そんな中男の子が人形を傘に入れ頭をなで、立ち去る。
捨てられてしまった人形は神様に回収され、キティは再びおもちゃの世界に戻ることができた。
キティは自分を助けてくれた男の子に会うため人間になりたいと神様に懇願する。そこで神様は「正体がばれないこと」「3日間」「好きな人とキスをすること」を条件に出す。これをクリアしなければこの世からキティという存在が消滅する、と。

学生になったキティは人形を救ってくれた男の子と同じクラスになり、その子の優しさに触れ好きになる。
だが実は人形を捨てたのはこの男の子の元カノでありクラスメイトの少女だったのだ。
男の子を独占することでいじめに遭うことを恐れ人形を捨てたのだった。
キティは笑顔にすることができなかった少女を救うか、男の子とキスをし人間として居続けるかで苦悩するが、おもちゃとしての使命を果たすかのように少女と男の子を復縁させてこの世から去る。

神様の計らいで、再びおもちゃになることを許されたキティは、再度少女のもとへ人形として旅立つ。


■ 売れるスタダと売れないハロプロ


アイドルのミュージカルということで甘く見てましたけど、実際に鑑賞したらとても素晴らしいミュージカルでした。
かりんちゃんはキティ役でひたすらきゅるんって役でかわいかったです。

連れがあかりちゃん推しなのでいろいろ奇行(笑)を聞いてたんだけど、舞台上ではしっかりと女優さんだったし美人で素敵でした。

一番すごかったのがさゆきちゃんです。
顔は全然タイプじゃなかったので興味無かったんですけど、ダンスもうまいし歌がすごかったです。
役柄がクラスを仕切ってて男の子に惚れるがゆえに近づいていく女の子に悪さをする、という立場だったんだけど、その転落というか苦悩の歌が鬼気迫るすごさでした。

ハロプロのこの層の厚さは素晴らしいですね。
想像を絶するほどの練習を積み重ねてきたのでしょう。
しかもこの時期はツアー中らしく、ミュージカルの練習もツアー練習もしていたということで、アイドルとしてハロプロにかなう存在はいないのではないか、と感じました。
でも売れてるのはスタダ。
ももクロの後輩グループであるしゃちほこやたこ虹がホールを易々と埋めているのに対し、ハロプロはチケットが即完売するということはあまりないようです。
今度の水曜日に行われる道重さゆみ卒業コンサートは倍率が高かったようですが。


クオリティが高い。でも売れない。
これはマンガでも映画でも絵画でもそうでしょう。
絵がうまい、映画の制作費に何億もかける、写真と見間違うほどの絵画である。
だからといって売れるわけではありません。

人は人柄に惚れます。
ダンスや歌がうまいから好きなんじゃなく、好きな人がたまたまダンスや歌がうまかったんです。
「好きになる」のが先で、「ダンスや歌がうまいから」という理由は後付けなんです。
そして好きになることに理由はありません。気づくと好きになっている。

スタダは好きになってもらうのがうまいのでしょう。
ハロプロはプロ集団と言われることもあるほどで、アーティストとしての見せ方がうまく、彼女たちの人柄がなかなか見えません。
ですが接触イベントはあるので深いファンは深く、表面的にしか知ることができない非ファンのドルヲタとの落差は開く一方でしょう。
その点スタダはまずももクロが切り開いた道があるので他の後輩グループに入りやすくなっています。
そして歌唱力やダンスパフォーマンスはハロプロに比べうまくないため、そこに惹かれるというのはなく(つまり上手い下手はさほど気にならず)むしろベースから逸脱した部分に惹かれることがあります。
さらにバラエティ番組などを見ることで人柄に触れる機会があるのでより好きになっていく。


ハロプロは毎週YouTubeで「ハロ!ステ」という1時間番組をアップしていて、ここでステージの裏側などを無料で知ることができるんですが、知らない人が多数だと思います。

早い話が、ハロプロは戦略が下手なんじゃないかな、ということです。
でもファンからの資金回収の仕方ががっちりしているので崩壊することはないでしょう。

ちなみに、48グループは人数が大量にいて、しかもメンバーの所属事務所がバラバラということもあり、よほどうまくやらないと資金面で崩壊してしまうんじゃないかと危惧しています。

ももクロ・ハロプロ・48グループの三つ巴のパワーバランスと、そこを目指す多数のアイドルグループのためにも48グループにはまだまだがんばっていただきたいです。
そしてハロプロも早くスタダを脅かす存在になって欲しいんですよね。
運営の体制もパフォーマンス能力も勝ってるんだから、あとは売り込み方かなと思います。
道重さゆみ卒業による世代交代がどうなるかというのがとても重要だと思います。

追われるももクロよりも何かを追い続けるももクロの方に魅力を感じがちな僕です。


■ キティは果たして救われたのか


話を物語に戻そう。

感覚を失うことで人形になり、捨てられ、人間になり様々な感情を学び、再び感覚を失った人形となったキティ。
彼女は幸せなのだろうか。

以前、生物の違いが倫理観の相違(人からすればとてもじゃないが幸せに見えない)になることを書いた。
参照:「おじゃる丸「小石いろえんぴつ」と藤子不二雄「ミノタウロスの皿」に共通する倫理観


おもちゃではない我々には、キティが幸せになったようには見えないが、キティはそれが幸せなのだろう。
だけど、人間に3日間だけなり、自分を捨てた持ち主の心情や、雨に濡れる自分を助けてくれた男の子に恋をしたキティを知っている我々には、彼女が再び少女の人形になることが幸せには見えない。
おそらく意図的にそのような不穏な物語にしていると思われる。

なぜなら人形になっても聞こえたり見えたりできても良く、ラストもいかようにも変えられただろうからだ。
例えば人間を経験したキティは以前の人形と違い、持ち主が抱きしめた時に以前以上の幸福感を感じる、などだ。
人の心を知ったキティは感覚を失っても抱きしめた人に何かあたたかいものを与え返す存在へと成長した、というラストでも良かったはずだ。
でもキティはキティのままだった。

結局人形は、持ち主の言いなりで、人形側からは何もできないのだ。
これをアイドルが演じるというのがとても不穏に感じられるだろう。
確かにアイドルは意思表示ができる。
でも結局それすらも我々ファンからすれば「アイドル」という生き物があらかじめプログラムされた範囲内でのみの反応でしかないように感じられる。
すべてのアイドルは誰もが指原莉乃のように枠を逸脱して行動したりはできないのだ。

アイドルを愛するには、様々な感覚を失い自己を犠牲にしているのを知らないまま一方的に熱を伝えるしかないのか。
人形からは何も伝えてこない。
ただ人形はかわいい姿のままだ。

「恋するハローキティ」はタイトルに反してとても恐ろしく、とても考えさせられる物語だった。


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