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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

接続せよ 『invert vol.2 -つながり-』書評 


『invert vol.2 -つながり-』

サイト:fromH



■ 世界と接続するために 『invert vol.2 -つながり-』書評

本誌のテーマが「つながり」ということだが、僕が編集した『アイドル感染拡大』とも奇妙なつながりを感じた。
『invert vol.2 -つながり-』には「北海道におけるアイドルの未来とは」と題された対談が掲載されており、地方アイドルの難しさと可能性について書かれている。
『アイドル感染拡大』に書いた「劣化した社会にこそ魂が宿る ももいろクローバーZの可能性と不可逆性」ではももクロの今後の展開としてヴィレッジヴァンガードの地方出店を引き合いに「北海道でのコンサート開催」を予測した。なぜなら北海道は集客が悪く、ヴィレヴァンも出店していない。普通とは違うことをし続けてきたももクロは、きっと北海道でのコンサートを成功させるだろう!と予測したわけだ。
(だがふたを開けて見れば春のドームは福岡。まだ夏と冬の恒例イベントが残ってるので期待してます)

今回の「相互書評企画」に賛同していただき、アイドルを多めに取り上げている『invert vol.2 -つながり-』と出会えたのも、どこか時代が引き合わせたようなものを感じます。

地下アイドルについて僕が論じる場合も東京に限られてしまい、地方アイドルやその土地の特性、住んでる人の意識などまでには及ばない。『invert vol.2 -つながり-』を読むと北海道に住まないとわからないことがたくさん書かれている。
やはり東京の地下アイドル状況はかなり恵まれており異常なのだとわかる。一番わかりやすいのは物理的な距離だろう。北海道は広すぎる。
感覚で言うと、札幌市の広さの中に「秋葉原、渋谷、新宿、池袋」などのライブハウスが詰まってるのが東京、というイメージ。札幌と函館の距離だと東京のライブアイドルにとっては遠征ぐらいの勢いなんじゃないかなと。これは売れていないアイドルにとってかなりの弊害になるだろう。

アイドル界も社会と同じで、東京一人勝ち状態では衰退し崩壊していくのが目に見えているので、なんとか地方も盛り上がり続けて欲しいのだが、この対談「北海道におけるアイドルの未来とは」を読む限りではかなり厳しい戦いになりそうです。

個人的な考えでは旅行会社と提携を組んで遠征費を少しでも安く済むようにする、というのがいいかなと思っています。遠征費を掛けるぐらいなら近場のアイドルでチェキ撮った方がコストパフォーマンスが高いと感じるのは仕方がない。県をまたいで推してるけど遠征費が障害になっているケースというのはいっぱいあると思います。その障害を取り除くためにもいろいろ手を打てるのではないか、と考えさせられた。


「系譜のつながりかた テン年代アイドルのありかたとしての佐々木優佳里」という記事では「めんどくさいアイドル」というキーワードで現代アイドルの生き残り方を論じている。
48グループに疎いので佐々木優佳里さんを存じ上げなかったのですが、これを読むと宮台真司氏が行った『愛のキャラバン』トークイベントで語られたエピソードを思い出しました。
メンヘラ系をナンパして生きづらさを取り除くことが快感になる、というような話だったが、現代アイドルというのも似た面があるのではないでしょうか。
簡単に言うと「ほっとけなさ」ということなんだろうけど、自分が関わることで相手の人生をいい方向に向かわせられていると感じられるかどうか。
本誌ではネガティブイメージを「毒」として、使い方次第では薬にもなると評しているが、れにちゃん推しの僕としては賛同せざるを得なかったです。
「僕が推さないとこの子はどうにかなっちゃうんじゃないか」と思わせるような所がれにちゃんにはありました。
もちろんZ以降なので売れる道筋が見えている時でしたが、アイドル業界について何も知らなかった当時の僕は、日本青年館や中野サンプラザみたいなちっちゃいとこでライブしてるアイドルがもっと売れるためには!みたいな考え方になっていたのです。
(その後実際に会場に入ってみて、その広さと集客の難しさに愕然とし、すでに満員にしていたももクロの異常な人気を再確認したのでした)

ということで地方アイドルと地下アイドルの生き残り戦略に必要なことが書かれているのでアイドルはぜひ読みましょう!ドルヲタもこの本をアイドルにプレゼントしましょう!


アイドル以外の記事も大変読み応えがあり、特に最後に掲載されている「少し暇そうにしているキャラを連れ出したい」というキャラ論がかなり僕好みの内容でした。「あまちゃん」や「ハルヒ」について語られているんだけど、現実に侵食しているキャラのおもしろさと、だからこそこの現実はつまらないじゃん!というのが強烈に脳に飛び込んでくる。
(この世界に鹿目まどかは存在しない!)

僕はかつて「世界が感情を取り戻す ももいろクローバーZ論」で「48グループには鹿目まどかが存在しないので秋元康の世界システムを書き換えられない」と書いた。
だがその後「指原莉乃こそが鹿目まどかなのではないか」と転向した。
今回の相互書評企画のもう一人の参加者であるちろう氏が推している指原莉乃をこの書評にも登場させて締めくくりたい。
毒を持って毒を制す存在こそが指原莉乃であり、このような考え方に導いてくれたのは『invert vol.2 -つながり-』、『ちろうの指原莉乃本第三弾 アイドル<ヲタ>になる方法』、『アイドル感染拡大』の奇妙な必然のつながりがあったからこそだ。

この企画に真っ先に賛同してくれた伊丹空互氏に感謝いたします。



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