実存浮遊
映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。
2015.12.20 Sun. 10:41 :edit
2&ライブレポ 新宿ReNY 2015.12.19
2&のライブを見ると「ロックとはなんなのか」と考え込んでしまう。
『東京ファンタジック!vol.1【夜の部】@新宿ReNY』は昼の部も合わせて20組近いアイドルグループが出演したにも関わらず、トリを努める2&の時間にはステージ前に多くのファンが集まった。
このライブ会場はハロプロのJuice=Juiceも完全に埋めきることができなかった(2015年夏の時点で)ほど広い会場なので、2&の15分間だけではまだまだ空いているスペースの方が多いのが実情だ。
だが昼から行われてるイベントで夜の部の最後で、しかも15分間しかないという状況でも40人近い人が2&を見に来ているというのが実力を物語っている。
2&Sakiが変わった時期が2回あるとすれば間違いなくSaya脱退と偶想Drop結成だろう。
一人になり、Saki+2&ファミリー=2&という力を得て、さらに後輩グループである偶想Dropに大きな影響を受けた。
歌声に重みが増し、表情も豊かになり、身体能力を活かしたパフォーマンスでステージを飛び回る。
歌って踊って笑ってるだけのアイドルではない、2&という唯一無二のライブアイドルアーティストが生まれた。
1曲目『ネガポジMonster』
ファン同士が手をつなぐ場面があるこの曲は、見ているみんなが2&の一員であるというのを象徴した曲でもある。
そして「泣きながら走る走る コケる 立ち上がり走る 叫ぶ」という歌詞にこれまでの2&の歴史が刻み込まれている。
だが間奏中のMCでは「今日ピザを5枚食べました。行くよって言ったらみんなでピザー!って叫びましょう!」とまったく関係無いことをぶち込んでくる。
そして大声でピザー!と叫ぶファン。そんな新宿ReNY。おそらくこんなコールは新宿ReNY史上初だろう。
なんなんだこれは。
2曲目『未来を』
2&は特殊なヲタ芸があまり無い。もちろんヲタ芸を楽しみたい人たちにとっては物足りないと感じるのかもしれないが、ただ自分の中に生まれた熱に従えば良いだけの2&のライブは、それだけで純粋に楽しいと思わせられる。
「君と僕の未来を」という歌い出しで始まるこの曲は、恋愛曲のようにも聞こえるが、Sakiと2&ファミリーのことを歌っているようにも聞こえる。
3曲目『リアル』
なくてはならない曲にまで成長した『リアル』は、髪を振り乱し、苦悶の表情で歌い上げ、アクロバットも披露するというライブアイドルアーティスト2&の代表曲だ。
この日は間奏中に20回転以上ハンドスプリングを披露。予想外の大回転に会場は騒然としていた。
2&のライブを見ると「ロックとはなんなのか」と考え込んでしまう。
少年の頃ロックスターと出会い、なんかとんでもないものを見ているという感覚と、なんか叫ばずにはいられないという感情と、みんなそろってロックスターを刮目しているという異常な空間と、そんないろんなものがグチャグチャに混じり合った塊がぶつかり合う。
今見ているのがアイドルなのかロックなのか、そんなことはどうだっていい。だって純粋に楽しいだけだから。
そんな気持ちにさせられる。
2&のライブを見ると「ロックとはなんなのか」と考え込んでしまう。
答えはずっと出ないままだ。
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