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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

鞘師里保以降の時代をどう生きるか 


2015年12月31日。アイドルが大量に辞めたり解散したこの年を象徴するかのように鞘師里保がモーニング娘。を卒業しました。
2015年のアイドル界の激動を締めくくるかのようなモー娘。センターの卒業は、2016年アイドル界の大波乱をも暗示しているかのようです。

鞘師里保という少女がどんな人物だったのかを振り返りながら、2016年のアイドル界を占いつつ輝かしい未来を予言する文章になることを望みながら書き進めていきたいと思います。


 【鞘師里保以前と鞘師里保以降】


モー娘。は誰もが知っている名前でありながら、現在のメンバーはほとんどの人が知らないという状況になっています。
僕は2014年の道重さゆみ卒業発表辺りからモー娘。のファンになり始めたのですが、それまでは道重さゆみのこともよく知らず、鞘師里保というかわいい少女がいるという程度の認知度でした。
なっち、ゴマキ、加護辻、という全盛期。高橋愛がリーダーを務めたプラチナ期。そして道重さゆみがリーダーを務めてから2015年まで、と大きく区切ることができるかと思います。

グループ名は知っているけどメンバーの名前までは知らない、というのはアイドルグループによくあることですが、48グループやももクロなどと違いモー娘。の場合は1期メンバーや2期メンバーは知っているのに現在のモー娘。メンバーは知らない、という「常に過去のプレッシャーに押し潰され続けている状態」にあります。
歌唱力やダンススキルなどは初期メンバーとは比べ物にならないほど向上しているにも関わらず認知度が低いというジレンマを抱え続けることになりました。
モー娘。の代名詞と言えば『LOVEマシーン』ですが、奇抜な振り付けと頭に残る歌詞、口ずさみたくなるメロディラインがモー娘。的だという刷り込みがなされてしまったのも事実でしょう。

鞘師里保は12歳でモー娘。に選ばれ、その後田中れいなと共にセンターを任され、田中れいな卒業後は1人でセンターに立つことになりました。ダンスパフォーマンスがずば抜けているのはどんな素人が見ても明らかであり、鞘師里保がセンターになってからモー娘。の楽曲も趣向が変わってきました。

『まじですかスカ!』から『One・Two・Three』への転向を見ればわかりやすいでしょう。
『まじですかスカ!』はいわゆる『LOVEマシーン』系の印象を受けると思います。
『One・Two・Three』はモー娘。っぽくなく、クラブミュージックのような印象ではないでしょうか。





現在のモー娘。の武器の一つである「フォーメンションダンス」のきっかけを作ったのが鞘師里保だと言っても過言ではないでしょう。
ダンスが下手なメンバーが多い中、ダンスがうまいグループだという評判がついてきたのも鞘師里保がセンターを張っていたからでしょう。
中学生高校生の少女への重圧は並大抵のものではないと思います。



 【モモ・リリー・鞘師里保】

※この章は『ステーシーズ 少女再殺歌劇』と『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』、『二輪咲き』の重大なネタバレを含みますので未見の方は次の章まで飛ばしてください。



加入当初の12歳から17歳になって卒業するまでの間、ファンに舞台裏の姿も披露してきた鞘師里保ですが、ファンならずとも無邪気さが明らかに減っていると気づいたことでしょう。
それをセンターの風格と称することもできるでしょう。でも実際の年齢からは想像できないほどの鉄の強さをも感じてしまいます。

ハロプロはツアーやコンサート期間の最中でも舞台の公演があり、そのスケジュールには驚愕します。

鞘師里保は、大槻ケンヂの小説が原作の舞台『ステーシーズ 少女再殺歌劇』や末満健一TRUMPシリーズのひとつ『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』でも重要な役を与えられました。
『ステーシーズ』ではステーシー化した少女たちの中で世界で初めて語りだした女の子モモ。『リリウム』では永遠に死ぬことができない女の子リリーを見事に演じました。
歌が苦手としていた鞘師里保ですが、その歌声は聴く者の心に棲みついて離れないでしょう。







『ステーシーズ』の物語は、筋肉少女帯の『再殺部隊』をベースにしています。



14歳から16歳の少女たちが突然歩き回る屍になってしまう。美しい少女のまま人間を襲う彼女たちは165分割にするまでずっと動き続けます。少女たちは生前、自分たちをもう一度ちゃんと殺してくれる人を探し求めます。まるで恋人を探すかのように。

『リリウム』は吸血鬼の少女たちが仲良く暮らすサナトリウムでの物語です。
リリーは少女たちの中でただ一人、シルベチカ(小田さくら役)の不在に気付きます。その後首謀者であるソフィー・アンダーソンの存在や全員操られていることに気付くわけです。

モモとリリーに共通するのは少女の姿のまま死ねないという点です。
14歳から16歳という思春期の時期を人としてすごす事ができず、歩き回る屍ステーシーと化す。
そしてソフィー・アンダーソンと同じように少女の姿のまま真なる吸血種TRUE OF VAMP(TRUMP)となってしまったリリー。
『リリウム』の続編と言える前日譚『二輪咲き』では全曲披露のあとで『リリウム』のその後が少しだけ描かれました。そこには死んだと思っていたリリーに会えて喜ぶソフィー・アンダーソンと、ソフィーを憎み続けることを糧として長い年月探しさ迷っていたリリーの姿がありました。
永遠に死ねない吸血種の仲間と巡り合えたソフィーに対し、自分を死ねない身体にしたソフィーを恨み続けてきたリリー。

なぜこの役が鞘師里保だったのか。そして、なぜ鞘師里保は17歳でアイドルを卒業しなければならなかったのか。
モー娘。でいた期間は人を超えた存在だったと捉えることもできるでしょう。
12歳から17歳までの間、彼女はモー娘。のエースというこの世に一人しかいない存在へとなってしまいました。
モー娘。のエースで居続けるということはアイドルとして生き続けることでもあります。誰も彼女のことを理解してくれる存在などいない世界で、彼女はアイドルのまま歩き続けてきました。
道重さゆみが2014年11月に卒業したことも大きく影響しているでしょう。

モモのように165分割にしてくれる人がいないこの世界、リリーのようにソフィーを恨み続けることができないこの世界では、モー娘。を辞めることでしか永遠にアイドルとして生き続ける世界を抜け出せなかったのでしょう。
ずっとモー娘。で居続けることができたにも関わらず17歳という早い段階で辞める決断をしたのは、モーニング娘。という世界と鞘師里保という世界をさらなる高みに飛躍させるためでしょう。
モモもリリーも幸せになれなかった。その世界に閉じ込められていては幸せになれないのです。
鞘師里保は自らの物語を進めるためにモーニング娘。という物語から退出したのです。


 【少年ジャンプと鞘師里保】


センターはジャンプキャラに近ければ近いほど愛されます。
『ドラゴンボール』の孫悟空がわかりやすいでしょう。
物凄く強いけど世間知らずな田舎者で大食いであり、修行にストイックで仲間想い、負けると強くなり、尻尾が弱点などあります。これは鞘師里保にも当てはまります。物凄くダンスがうまく、広島出身で方言が出て、食べるのが大好き。ストイックに練習をこなし後輩に慕われ、すぐ寝てしまうという弱点もあります。

ももクロの百田夏菜子も孫悟空に近いです。
静岡県出身で仲間想い、自分に厳しく逆境に追い込まれるほど輝きを増します。ですが漢字などが苦手です。

ジャンプキャラと言えば『ドラゴンボール』の孫悟空や『スラムダンク』の桜木花道、『ダイの大冒険』のダイなどが思い浮かびます。
これらの主人公は最終回で物語から退出します。みんなの前からいなくなることで物語が終わります。
永遠にこのまま続いていくという最終回ではないんです。


鞘師里保のイメージカラーは赤です。孫悟空も道着が赤(オレンジ)です。
悟空のライバルと言えばベジータですが、彼は青い戦闘服を着ています。
モー娘。で言えば石田亜佑美のイメージカラーが青です。石田亜佑美は鞘師里保と並ぶダンススキルの持ち主ですが、ダンスの特色はまさに赤と青という印象を持ちます。
情熱的に踊る鞘師里保に対して、寸分の狂いも感じさせないほど正確に踊る石田亜佑美という印象です。

石田亜佑美はとても魅力的なメンバーで、ステージ上のパフォーマンスからは考えられないほど舞台裏では愛されキャラとして輪の中にいます。
ですが漫画キャラの見立て通りに彼女がベジータなのだとしたら主人公(センター)ではないということになります。
そこで次のセンターは佐藤優樹を推薦したいと思います。
鞘師里保の前のセンターである田中れいなのことが大好きな佐藤優樹こそが、田中れいなや鞘師里保の意志を継ぐ者なのではないでしょうか。
佐藤優樹は『ワンピース』のルフィのように突拍子もないことをしても結局はそれが一番の道であることを証明していってくれる気がするのです。

それとも、新メンバーの13期生に鞘師里保を超える逸材が選ばれるのでしょうか。
終わったと思ってもまだまだ続くのがモー娘。とジャンプの共通点でしょう。
鞘師里保の時代が終わった今、2016年はどのような年になるのでしょう。
自ら物語に終止符を打つアイドルが増えるのか。それともジャンプの主人公のようなアイドルが現れるのか。
鞘師里保以降の2016年をどう生きるのか。ファンも運営もアイドルもすべて含めたみなさんの行動が重要になってくると思います。



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