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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

援助交際経験者へ [2007年03月15日(木)] 

「援交少女」という言葉がいつの間にか薄くなってきました。


最近文庫化された宮台真司の著書「制服少女たちの選択」は、援助交際世代の女子高校生達が、10年経った姿で座談会に参加したものが収録されています。
強度(意味に回収されない濃密な生き方)を体現していると思っていた女子高生達が、大人になったらメンタルヘルス系にシフトしている現状を知り、宮台さん自身は過去のブルセラ発言は間違いだったと敗北宣言をしました。

座談会の中で、ある女性が「お金がいっぱいあった事がいけなかったのではないか」と発言しました。
お金が無い時は、本を選ぶでもCD選ぶでも、所持金的に一つしか選べないという状況があって、買ったものも隅々まで何度も繰り返し楽しんだが、援交時期は違う、と。
お金がいっぱいある時は、吟味もしないしひどい時は買っても開けない事もあった、と。

この事で、大人になった元援交少女は、若い時に好きなものを見つけられなかった事は不幸なのではないか、物を選ぶ苦労をしなかったのは不幸なのではないか、とつなげました。
これは確かにそうかもしれないな、と思った。
好きな事をやって、結果何が好きかわからない状態に陥るというのは、極めて絶望的状況ではないか。


ここで思い浮かばれるのが「オタク」との対比だ。
「オタク」とは一般的に、社交性を欠き、好きなものに没頭する人を指す。

若い時にいろいろ手を出し、何が好きな事なのかわからなくなった元援交少女と、若い時に好きなものを見つけ、埋没するオタク。
ふたつの違いは何か。

お互いが理解し合えない関係であろう事は推測できる。
一方は性的弱者だと見なし、一方は性的に解放された存在と見なし、お互い嫌悪し合うだろう。
それ以外に、オタクになれなかった悔しさと、オタクじゃない者へのさげすみの視線は無いだろうか。

女性を対象とするオタク(アイドルオタクやアニメの女性キャラを愛するオタク)は、援交少女を見ずに、自分を傷つけない存在を愛する。


援助交際を受け入れられない男達の存在が、彼女らを苦しめるのではないか、という考えが出てきた。
援助交際をした人に対し、「身体を売った」だの「愛の無いセックスをすれば心を傷つける」だの、腐った言説を吐く奴がそこらへんにいる社会は、極めて生きづらいだろう。

つまり、宮台真司の敗北宣言は、援交少女を救えなかった事に対してではなく、性的コミュニケーション能力が低い者たちを一掃できなかった事に原因があるのではないか。

個人的には、性的サービスを提供する人達は男女問わず尊敬する。
中には当然、人間的に尊敬できない人がいたり、自分の行動に誇りを持てない人もいるだろう。
これらも社会の風潮が悪い方向へと押しやってる気がするけど。


もし、全部の援助交際経験者が宮台本を読んでいれば、などとメルヘンチックな事を考えずにいられない。
もし、全援交少女が宮台本に出会ってれば、彼女らは過去の経験を強みにして、10年経った現在を生きているんじゃないか。
過去にどんな男とセックスしたか、どういう理由でセックスしたか、という結果だけで、その人の全てを否定するかのような振る舞いをする男達があふれた社会。
すなわち「現在よりも過去に左右される脆弱な存在」によって、過去の経験を否定されてしまう。
それは単なる腐った道徳主義者の寝言でしかないんだけど、彼女らの多くはその腐り加減に気付けていないんじゃないだろうか。
発酵したものだと思い込んでいるんじゃないか。
(これは言葉遊びで、例えに正確さを欠く書き方ですね)


ちょっと話があっちゃこっちゃ行ってまとまらなくなってきました。

1.性的に解放されてるように見えた存在が生きづらそうなのはなぜか
2.社会の腐った道徳思考が無くなれば性的サービス提供者は生きづらさを消せるか

という事を書いてきたつもりです。

「援助交際をすれば魂が傷つく!」と言う言葉に対し、誰が、何故、どのような状況で、何に向かって言っているのか、見抜く力。
腐った発言を腐ってるものだと認識する力。

行動に反省が伴わないのは成長を邪魔する事だと思うけど、反省や自己嫌悪に縛られて動けなくなるのはもったいないと思いました。
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テーマ: セックス - ジャンル: 心と身体

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