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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

叙述トリックによる崩壊 

我孫子武丸「さよならのためだけに」を読了。
離婚するために共闘する夫婦のお話。
すらすら読めました。

我孫子武丸と言えば「8の殺人」や「0の殺人」。「人形はこたつで推理する」などコミカルな推理小説があり、スーパーファミコンの「かまいたちの夜」のシナリオで有名ですね。

そして「殺戮にいたる病」や「弥勒の掌」などもミステリファンには評価が高いです。


僕は「殺戮にいたる病」で衝撃を受けました。
初めて叙述トリックに接触した。
(叙述トリックで重要なのは「読む前に叙述トリックであることが伏せられている」ということです。何も知らないで叙述トリックに出会うからこそ衝撃度がでかい。よく「叙述トリックとしてオチが読める」みたいに評価する人がいますけど、そりゃあ叙述トリックって知りながら読んだらオチ読めるものだってあるだろ)

叙述トリックについては以前書いたことがありますけど、もう一度説明します。
叙述トリックというのは、作中人物は何の違和感も無いのに、読者だけが騙されていた、というものです。
例えば、晶と健二というカップルがいたとします。
でもラスト、この二人が実はゲイカップルだったと判明する。
読者の先入観で晶が女性で健二が男性だと思い込んで作品を読み進めているので、最後に衝撃が来ます。


「殺戮にいたる病」を読んだのが中学生の時だったんですけど、読後混乱に陥りました。
意味がわからない。
どういう事態になっているのか。
その時の衝撃が忘れられません。
世界が崩壊するような感覚。
自分が信じていたものがすべて崩れ落ちる感覚。
それを求めている。

「さよならのためだけに」は全然叙述トリックじゃなかったんですけど、心のどこかで期待してました。
崩壊させて欲しい。
世界が崩壊する感覚をもう一度味わいたいです。

中学生の時に読んだ「殺戮にいたる病」の衝撃が、いまだに僕の人生観に影響しています。

世界は、崩壊する。いともたやすく。
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テーマ: 哲学/倫理学 - ジャンル: 学問・文化・芸術

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