実存浮遊
映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。
2011.04.02 Sat. 07:47 :edit
『カクセイ』と『トリハダ』の相違
■ 「カクセイ 恐怖に目覚める6つのストーリー」と「放送禁止」は「トリハダ」を超えられるか
3月31日の深夜。
フジテレビで『カクセイ』というオムニバスドラマを放送しました。
『トリハダ』の後継番組と言っていいでしょう。
1本のストーリーの合間にショートショートが挿入される。
ゾッとするようなショートショート。
そして各話と関連があるオチ。
『トリハダ』との違いは、各話のタイトルが漢字二文字になってるとこぐらいでしょう。
一本につながってる大ストーリーは、新人アイドルの女の子が主人公。
朝起きると首筋に汚れがついてたり、ケータイ電話を使用されてた形跡がある。
不安になるアイドル。
こんな感じで各話の間に物語が少しずつ進行していく。
1話目「接触」
コンビニでおつりをもらうサラリーマン。
店員の女は気味悪く手を握りながら小銭を返す。
サラリーマンがマンションに帰ると、窓ガラスに小石をぶつけられる。
次の日にはもっと大きな小石をぶつけられる。
ベランダに出ても誰もいない。
そしてさらに次の日。
大きな石を窓ガラスにぶつけられる。
ベランダに出てもやはり誰もいない。
ふとベランダから身を乗り出して上の方を見る。
すると風になびく長い髪が。
そしてコンビニ店員の女が大きな岩を持って笑いながら身を乗り出す。
次のシーンで血がついたサラリーマンのメガネが地面に転がっている。
狂ったように笑いながら屋上を立ち去る女。
ここで1話目は終了です。
まず、ベランダから身を乗り出して上を見て、岩持った女がいたら顔引っ込めるよね、普通は。
落ちてくるまで待ってんじゃねぇよ。
まぁ、一発目としてはこんなもんでしょうね。
2話目は「暗示」
催眠術にはまってる小学生の少女。
母親を猫にしようとするが、母親は猫のフリして少女をからかう。
今度は姉に催眠術をかける。
「鳥になって空を飛びたくなる」
だが今回も笑われて相手にもされない。
数時間後、少女が台所に行くと母親の様子がおかしい。
魚を生でむさぼる母親がいた。
そして、地面に叩く音がする。
ベランダから地面を見ると、姉が飛び降りて死んでいた。
催眠術はかかってた、というオチ。
まぁ読めたよね。
女の子を催眠術師にした催眠術師がいれば、なんかメタ的でおもしろかったかもしれませんね。
しかもそれが実は姉が絡んでたとかね。
まぁどうでもいいけど。
次は「循環」
夜道。OLが帰っていると、証明写真を使用している男がいる。
カーテンが閉められてるので顔はわからないが、どうやらサラリーマンのようだ。
次の日。
また証明写真を使用している男。
そしてまた次の日も。
ある日の帰り。
またあの男がいる。
すると証明写真が終了し、写真が取り出し口に出てきた。
OLはそれを取り写真を見る。
衝撃を受けるOL。そして開くカーテン。
その後OLが証明写真に座り続ける番になった。
これはタイトルでネタバレしてますね。
オチもありきたり。
次の話は「盲愛」
両親と娘が食卓を囲む。
20代ぐらいの娘は「たけし」という名の弟のことを心配している。
2階の自室にいるらしく、みんなと一緒にご飯を食べることは無いみたいだ。
母親に、「ちゃんとご飯を持っていったのか」と問いただす。
挨拶だけでもいいからちゃんとして、と。
娘の剣幕に困惑する両親。
「たけし」は実在せず、マネキンに食事を与える姉。
最後のカットは、5歳ぐらいの少年の遺影を映して終了。
これもなんか読めますね。
両親の態度が、あからさまに娘が狂ってる、という雰囲気を出している。
「たけし」がちっちゃい時に死んでる、という説明はいらないんじゃないかなぁ。
今回の『カクセイ』は全体的にわかりやすくなってますね。
次は「不在」
コンドル便という宅配業者の男が主人公。
留守の家に不在連絡表を入れる。
車に戻るとその家から電話が。
再び行くもまた留守。
次の日も荷物を持っていくが不在。
電気メーターは生活レベルで回転している。
不在連絡表を入れ車に戻ると、また不在先から電話が。
「今すぐ来て。鍵は開いてます」
か細い女性の声。
アパートに向かうと言われたとおりドアが開く。
中に入るとベッドに女性が座っていた。
「助けて」
どうやら女性は軟禁されてるようだ。
うしろの入り口が開くと女性が怯え出す。
軟禁した人物が帰ってきたようだ。
宅配業者の男は暗いどこかに閉じ込められたようだ。
必死にもがくとやっと這い出れた。
寝袋の中に入れられていたようだ。
場所は路上。
這い出た男はトラックにひかれて死ぬ。
そしてアイドルの話も終盤へ。
アイドル仲間を家に呼び、これまでの相談をする。
ファンからもらったDVDを見よう、ということになる。
映し出されるのは、歌うファンの姿。
笑う二人。
そう、これは結局今ちゃんが「やりすぎコージー」で言った都市伝説の映像化だった。
がっかり。
2枚目のDVDを見ると、暗い部屋でハッピーバースデーの歌を歌う男が。
彼が歌い終わりカメラからずれると、後ろにアイドルが眠っていた。
そこは彼女の部屋だったのだ。
恐怖におののく二人。
放心のままアイドル仲間のアパートに移動する主人公。
でも全編を見てる我々にしかわからないが、そこは「不在」の回で女性が軟禁されてた部屋だ。
主人公を部屋に入れ、入り口でほくそ笑む友達。
売れてる主人公へのひがみなのか。
そこで物語は終了する。
見えているものが真実とは限らない、みたいなフレーズが出るんだけど、これはフジテレビの『放送禁止』に似てる。
そして『トリハダ』と同じ番組構成。
『カクセイ』はシリーズ化していくんでしょうけど、どうも薄いです。
僕は以前の『トリハダ』に、理不尽さと哲学的タイトルに惹かれてたんですけど、今回の『カクセイ』は、わかりやすい内容にわかりやすいタイトル。
主軸となる1本のストーリーに、各話全部が絡んでくるぐらいの緻密さがあれば、それは賞賛に価しますが、そういうわけでもなく。
全然覚醒しません。
次回作に期待。
秋ごろかな?
3月31日の深夜。
フジテレビで『カクセイ』というオムニバスドラマを放送しました。
『トリハダ』の後継番組と言っていいでしょう。
1本のストーリーの合間にショートショートが挿入される。
ゾッとするようなショートショート。
そして各話と関連があるオチ。
『トリハダ』との違いは、各話のタイトルが漢字二文字になってるとこぐらいでしょう。
一本につながってる大ストーリーは、新人アイドルの女の子が主人公。
朝起きると首筋に汚れがついてたり、ケータイ電話を使用されてた形跡がある。
不安になるアイドル。
こんな感じで各話の間に物語が少しずつ進行していく。
1話目「接触」
コンビニでおつりをもらうサラリーマン。
店員の女は気味悪く手を握りながら小銭を返す。
サラリーマンがマンションに帰ると、窓ガラスに小石をぶつけられる。
次の日にはもっと大きな小石をぶつけられる。
ベランダに出ても誰もいない。
そしてさらに次の日。
大きな石を窓ガラスにぶつけられる。
ベランダに出てもやはり誰もいない。
ふとベランダから身を乗り出して上の方を見る。
すると風になびく長い髪が。
そしてコンビニ店員の女が大きな岩を持って笑いながら身を乗り出す。
次のシーンで血がついたサラリーマンのメガネが地面に転がっている。
狂ったように笑いながら屋上を立ち去る女。
ここで1話目は終了です。
まず、ベランダから身を乗り出して上を見て、岩持った女がいたら顔引っ込めるよね、普通は。
落ちてくるまで待ってんじゃねぇよ。
まぁ、一発目としてはこんなもんでしょうね。
2話目は「暗示」
催眠術にはまってる小学生の少女。
母親を猫にしようとするが、母親は猫のフリして少女をからかう。
今度は姉に催眠術をかける。
「鳥になって空を飛びたくなる」
だが今回も笑われて相手にもされない。
数時間後、少女が台所に行くと母親の様子がおかしい。
魚を生でむさぼる母親がいた。
そして、地面に叩く音がする。
ベランダから地面を見ると、姉が飛び降りて死んでいた。
催眠術はかかってた、というオチ。
まぁ読めたよね。
女の子を催眠術師にした催眠術師がいれば、なんかメタ的でおもしろかったかもしれませんね。
しかもそれが実は姉が絡んでたとかね。
まぁどうでもいいけど。
次は「循環」
夜道。OLが帰っていると、証明写真を使用している男がいる。
カーテンが閉められてるので顔はわからないが、どうやらサラリーマンのようだ。
次の日。
また証明写真を使用している男。
そしてまた次の日も。
ある日の帰り。
またあの男がいる。
すると証明写真が終了し、写真が取り出し口に出てきた。
OLはそれを取り写真を見る。
衝撃を受けるOL。そして開くカーテン。
その後OLが証明写真に座り続ける番になった。
これはタイトルでネタバレしてますね。
オチもありきたり。
次の話は「盲愛」
両親と娘が食卓を囲む。
20代ぐらいの娘は「たけし」という名の弟のことを心配している。
2階の自室にいるらしく、みんなと一緒にご飯を食べることは無いみたいだ。
母親に、「ちゃんとご飯を持っていったのか」と問いただす。
挨拶だけでもいいからちゃんとして、と。
娘の剣幕に困惑する両親。
「たけし」は実在せず、マネキンに食事を与える姉。
最後のカットは、5歳ぐらいの少年の遺影を映して終了。
これもなんか読めますね。
両親の態度が、あからさまに娘が狂ってる、という雰囲気を出している。
「たけし」がちっちゃい時に死んでる、という説明はいらないんじゃないかなぁ。
今回の『カクセイ』は全体的にわかりやすくなってますね。
次は「不在」
コンドル便という宅配業者の男が主人公。
留守の家に不在連絡表を入れる。
車に戻るとその家から電話が。
再び行くもまた留守。
次の日も荷物を持っていくが不在。
電気メーターは生活レベルで回転している。
不在連絡表を入れ車に戻ると、また不在先から電話が。
「今すぐ来て。鍵は開いてます」
か細い女性の声。
アパートに向かうと言われたとおりドアが開く。
中に入るとベッドに女性が座っていた。
「助けて」
どうやら女性は軟禁されてるようだ。
うしろの入り口が開くと女性が怯え出す。
軟禁した人物が帰ってきたようだ。
宅配業者の男は暗いどこかに閉じ込められたようだ。
必死にもがくとやっと這い出れた。
寝袋の中に入れられていたようだ。
場所は路上。
這い出た男はトラックにひかれて死ぬ。
そしてアイドルの話も終盤へ。
アイドル仲間を家に呼び、これまでの相談をする。
ファンからもらったDVDを見よう、ということになる。
映し出されるのは、歌うファンの姿。
笑う二人。
そう、これは結局今ちゃんが「やりすぎコージー」で言った都市伝説の映像化だった。
がっかり。
2枚目のDVDを見ると、暗い部屋でハッピーバースデーの歌を歌う男が。
彼が歌い終わりカメラからずれると、後ろにアイドルが眠っていた。
そこは彼女の部屋だったのだ。
恐怖におののく二人。
放心のままアイドル仲間のアパートに移動する主人公。
でも全編を見てる我々にしかわからないが、そこは「不在」の回で女性が軟禁されてた部屋だ。
主人公を部屋に入れ、入り口でほくそ笑む友達。
売れてる主人公へのひがみなのか。
そこで物語は終了する。
見えているものが真実とは限らない、みたいなフレーズが出るんだけど、これはフジテレビの『放送禁止』に似てる。
そして『トリハダ』と同じ番組構成。
『カクセイ』はシリーズ化していくんでしょうけど、どうも薄いです。
僕は以前の『トリハダ』に、理不尽さと哲学的タイトルに惹かれてたんですけど、今回の『カクセイ』は、わかりやすい内容にわかりやすいタイトル。
主軸となる1本のストーリーに、各話全部が絡んでくるぐらいの緻密さがあれば、それは賞賛に価しますが、そういうわけでもなく。
全然覚醒しません。
次回作に期待。
秋ごろかな?
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