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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

映画『ブタがいた教室』の失敗 

映画『ブタがいた教室』を見ました。

食べることを前提に1年間ブタを飼うことに決めた小学生のあるクラスの物語です。

実話をもとにしてるんですけど、実際はどうなったのかわかりません。


以下、映画の内容に触れるため、見ていない方は了承の上お進みください。




最初に生徒達が議論しているシーンから始まる。
ブタが校庭から教室まで向かう、という始まり方。

そこから、先生がブタを飼うかどうか提案するという、発端のシーンに移ります。


結論から言うとつまんなかったです。

興味惹く内容なので期待したんですけど。

この監督は『陽気なギャングが世界を回す』も撮ってたんですね。
通りでつまんないと思いました。

陽気なギャングの方は、設定が良いのに映画が決定的につまんなくて残念だった記憶があります。


物語が進むと、冒頭のシーンがカットバックだったことがわかります。
(カットバックとは、時間軸を前後させる映像表現。有名なのだと『シザーハンズ』か。おばあちゃんが若い頃のお話をする、というオープニング。カットバックの連続で観客を魅了したのが僕の大好きな『メメント』ですね)

なんだけど、このカットバックがなんの意味も無いんですよ。
しかも、どうやってブタが檻を抜け出し、しかも教室へ向かうのかがまったく描かれてません。
意味不明です。
そしてその後を描くわけでも無く。

全然無意味。なのにカットバックしてみました、と。
わけわからん。


問題点はまだまだあります。
(町山氏の「もしドラ」評を聞いたので、今日は攻撃モードです)

この映画の見せ場は、子供達の討論シーンだと思うんですよ。
ニュース番組かなんかで取り上げられた時も、子供達が泣きながら言い合ってるのを見て興味がわきましたから。

なので、この映画でも、もっとドキュメントタッチで描いて欲しかったです。
演技力どうこうの問題じゃなく、演出の問題なんでしょう。
もっと生々しさが欲しい。
定期的に先生役の妻夫木聡を映すんだけど、これがファンサービスにしかなってないんですよ。

映画としては、生徒同士のぶつかり合いを描き、それを見守る先生を描くべきでしょう。
あくまで生徒の意見を尊重する、というような先生を描いてて、何も意見しない。
そしてどの生徒も先生に食って掛かんないんです。
このシステムを作った先生に歯向かう生徒が一人もいないんですよ。

生徒と先生の成長を描くとしたら、先生に成長させる役も必要なんですけど、校長先生すら妻夫木側の人間なんです。
妻夫木に感化されてブタ小屋の掃除とかする始末。


だから妻夫木はもちろん、生徒も誰も成長できてません。
そのまま映画が終わります。


子供が出る映画って成長を描くんじゃないのか!!


まず子供のキャラが立ってないんです。
マンガ的な言い方してみましたが。
唯一、転校生で前の学校の制服のまま通う女子生徒がいるんですけど、ここも中途半端。
この女の子は逃げたブタを必死で捕まえることで世界のすごさに触れます。
ここまでは良い。
なのにこれについてその後一切触れません。
知らない内にみんなと同じように私服で通うようになってるし。
なんかきっかけを描け!!


ブタを食べる派と下級生に飼育を任す派に分かれるんですけど、この争いも全然熱くならないんですよ。
キャラが立ってないからです。


最後、多数決で決めることになるんですが、票が真っ二つに分かれます。
最後の1票は先生に託す、という流れに。

結局屠殺場に送ることにしたんですが、みんな素直に受け入れます。

なんで?


あんなにPちゃん食べたくないって言ってたじゃん。


観客としては、もっとすごいものを想像するわけです。

ペット化した家畜が食えるのかどうか。

その後の人生に大きく影響するであろう一大事ですよ。
それなのにまったくそのことを描かない。


大人になった彼らを誰か俳優使って描けばよかったのに。

それを聞いてる年取った妻夫木先生。
当時の教育が正しかったことに満足する、とか、それでも否定的な生徒がそのまま大人になってしまったと後悔するとかさ。


教育の難しさや多数決の是非など、いろいろ問題提起できたんじゃないだろうか。


それなのにこの映画ときたら。

最後ピギーピギーわめきながらトラックに乗せられるブタを見てもただ泣くだけ。
好物のトマトをひとりひとり上げてトラック出発。
それを走って追いかける。

終わり。


なんだそれ。

彼らは何を得たの?
担任の先生はどう成長できたの?

せめて豚肉見て吐くぐらいの凄みは見たかった。


日本映画のダメさが全開になった映画でした。



とにかく、生徒達の議論シーンはまとまらなくていいからワンカット長回しで取って欲しかったです。

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テーマ: 映画感想 - ジャンル: 映画

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