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実存浮遊

映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。

民度を上げるにはどうすればいいか 第2回 

■ 民度を上げるにはどうすればいいか考える 第2回



民度を上げるにはどうすればいいか考える 第2回は「プロンプターについて考える」です。

社会の構成をアーキテクチャー・プロンプター・メッセンジャー・レセプターの4つに分類し、それぞれ考察していくシリーズ。

第1回は「アーキテクチャーについて考える」でした。

それぞれ単独でも読めるように書いていくつもりですが、シリーズを通して読むことでさらに社会の構成が深く理解できるものになる予定です。


それではまず、プロンプターとはどのような役割かを考えていきます。


■ システムを走らせるプログラムは正常かどうか


アーキテクチャー(設計者)
プロンプター(設計図を伝達者に教える者)
メッセンジャー(伝達者)
レセプター(受信者)

プロンプターは、アーキテクチャーが作った設計図をメッセンジャーに教える役割です。

設計図があるだけでは何も物事は動きません。
設計図を動かすためのプログラム。
それがプロンプターと言えるでしょう。


「プロンプター」とは元々舞台装置を意味します。
演者にセリフや動き方などを伝える装置です。
観客にはこの装置が見えないというところも重要な点です。

そして「プロンプター」という分類は、園子温監督の映画『愛のむきだし』にヒントを得ています。


プロンプターの役割を、みんなが知っているゲーム『スーパーマリオブラザーズ』で例えてみます。


まず、アーキテクチャーですが、これはゲームを作った「任天堂」に当てはまります。
ではプロンプターは何かと言うと「ゲームソフト」に当たります。
メッセンジャーは「マリオ」ですね。
レセプターは「プレイヤー」となります。

少し複雑になるので噛み砕いて説明します。


プロンプターは「ゲームソフト」です。
マリオがどのように動くのか、アーキテクチャーが設計したプログラム通りに指示を出します。

レセプターが「プレイヤー」に当てはまるわけですが、ここで重要なのは、レセプターがメッセンジャーである「マリオ」を操作できる点です。

「プレイヤー」の思うように「マリオ」をジャンプさせたり走らせたりできる。
ですが、「プレイヤー」は「マリオ」にしゃべらせたり躍らせたり、クリボーを食べさせたりはできない。
そう。あくまでアーキテクチャーの設計図内の行動しかできません。
そして「プレイヤー」は、「マリオ」が銃で敵を惨殺したりお金で解決できないことに永久に気づけない。
「マリオ」が走ってジャンプして敵を倒すことが当然のこととして『スーパーマリオブラザーズ』の設定を楽しみます。


つまり正常なプロンプターとはシステムの不備に気づかせずにプログラムを走らせる者となります。


ここで大問題が発生します。

それは、「正常なプロンプターは優秀なプロンプターなのか」という問題です。


■ 正常かどうかと優秀かどうかは別問題


さきほどの問いに答えると、正常=優秀とはなりません。
むしろ正常なプロンプターは社会システムを崩壊に導く可能性も秘めています。

『スーパーマリオブラザーズ』のマリオの活躍を追うことで正常なプログラムと優秀なプログラムの違いが理解できるでしょう。

正常なプロンプターは、アーキテクチャーが構築したプログラムをそのまま伝えます。
『スーパーマリオブラザーズ』のマリオが、Aボタンを押せばジャンプし、Bボタンと横キーで走り出すプログラムです。
言い換えるとこれしか行動ができない。

プレイヤーはずっと『スーパーマリオブラザーズ』をプレイし続ける。
ジャンプして走るしかできない不自由さに気づけません。

でも「マリオ」はその後シリーズを重ね、甲羅を持つ・ヨッシーに乗る・奇声を発する・帽子をかぶるなど、様々なアクションが取れるようになります。

正常なプロンプターのままではマリオの発展は望めませんでした。
なぜなら、プレイヤーが不自由さに無自覚なまま与えられたシステムに満足してしまうからです。

優秀なプロンプター(と優秀なアーキテクチャー)は、あらかじめプログラムにバグが組み込まれてしまう不可避性に敏感です。

常に最良のプログラムなど存在しない事に自覚的なのです。

なので優秀なプロンプターはレセプターの不自由さを教育するのです。

与えられたプログラムは不自由なので、もっと楽しいプログラムを求めるレセプター。
メッセンジャーを通じてレセプターを教育する。
これが優秀なプロンプターです。


■ プロンプターの今後を考えよう


前項では『スーパーマリオブラザーズ』のマリオの進化を例に「正常なプロンプター」と「優秀なプロンプター」を区別して考えました。

では現在の状況で優秀なプロンプターを育てるにはどうすればいいでしょう。

キーワードは「ソーシャルネットワーク」と「輝き」です。


アーキテクチャーが作った設計図をメッセンジャーに伝えるのがプロンプター。
当然その先にはレセプターが存在しています。

なので、レセプターに働きかけるような振る舞いをメッセンジャーにして欲しいわけです。
つまり、メッセンジャーを動かさなければなりません。

そのためのツールとして現在大注目なのが、「ソーシャルネットワーク」です。
SNSやツイッターを利用しない手は無い。

これらを通すことでメッセンジャーの伝播力は膨大なものになります。

でもメッセンジャーの場があっても、それがレセプターにうまく伝わらなければ意味がありません。
そこで重要なのが「輝き」です。

メッセンジャーに凄さが無いとレセプターは受信できない。
つまり、プロンプターはメッセンジャーを輝かせる必要があるのです。

アーキテクチャーが作った設計図をただメッセンジャーに読ませるだけでは駄目です。
どのようなステージで、どのように読ませるか。
どんな単語を使って、どんな身振り手振りで話させるか。
それを決めるのがプロンプターの重要な役目です。


つまりプロンプターは優秀な演出家でなければなりません。

演劇で言えば、脚本家が作った設計図を、役者に伝えるのが演出家です。
脚本家の意図を組み、さらに観客の心を揺さぶるような演出を考える。
そしてそれを役者に伝える。

役者の演技を見た観客は、感動し動き出す。脚本家や演出家について批判できる目も獲得できる。

これが理想的な循環です。
優秀なプロンプターは、ここまでできる者でなければならない。


ですが現在のプロンプターはどうでしょう。


■ 民度を下げる愚劣なプロンプターを引きずり降ろせ



プロンプターとしてまず思い浮かぶのが「政治家」というポジションです。

憲法に則った(ように見せかけた)法律を作り、それを市民に伝える。
その多くは、市民を幸福にするものではなく、縛り付ける。
そして利権をむさぼり、自分の損になる行動は一切取らない。

このような者がプロンプターではいけない。

なぜならこのプロンプターは「正常」ではあっても「優秀」ではないからです。

市民に、己の不自由さを永久に気づかないままにさせ、メッセンジャーの輝きも失わせ、アーキテクチャーに更新することを許さない。

こんなシステムは朽ち果てていくしか道はない。

流れのない水は腐る。
池ではなく川。
常に新しい流れが必要です。


話が多岐にわたり、例え話も複数登場したのでわかりづらくなってしまったかも知れません。

まとめます。


社会システムをただ伝達するだけのプロンプターではなく、市民を動かし場合によっては市民に批判する力も与える舞台演出家。
そしてメッセンジャーの輝きを引き出す演出ができる者。

これが優秀なプロンプターと言えるでしょう。


ツイッターやSNSの登場で、誰でもプロンプターとしてアクセスできる時代が到来しています。
まさに今こそがチャンス。

設計図を書き換えるのは我々なのです。

この停滞して腐りきった水を入れ替えるのは今しかありません。

レセプター達よ、今すぐ民度を上げよ。
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テーマ: 文明・文化&思想 - ジャンル: 学問・文化・芸術

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