実存浮遊
映画やアイドルなどの文化評論。良い社会になるために必要な事を模索し書き続けます。
2011.09.08 Thu. 07:19 :edit
民度を上げるにはどうすればいいか 第4回
■ 民度を上げるにはどうすればいいか考える 第4回
民度を上げるにはどうすればいいか考える 第4回は「レセプターについて考える」です。
社会の構成をアーキテクチャー・プロンプター・メッセンジャー・レセプターの4つに分類し、それぞれ考察していくシリーズ。
第1回は「アーキテクチャーについて考える」でした。
第2回は「プロンプターについて考える」でした。
第3回は「メッセンジャーについて考える」でした。
それぞれ単独でも読めるように書いていくつもりですが、シリーズを通して読むことでさらに社会の構成が深く理解できるものになる予定です。
では論考を始める前に、アーキテクチャーとプロンプターとメッセンジャーの振り返りをしましょうか。
■ アーキテクチャー、プロンプター、メッセンジャーとレセプターの連関
日本人の民度(国民としての質。他国と比べた時の頭の良さ、幸福度、対応力などなど)を上げるにはどうすればいいのか。
そのために僕は日本人を4つのカテゴリに分類しました。その4つは円環になっていて、それぞれを少しずつ向上させることで、すべてが螺旋のように民度が上がることが想像できます。
その4つとは、
アーキテクチャー(設計者)
プロンプター(設計図を伝達者に教える者)
メッセンジャー(伝達者)
レセプター(受信者)
です。
第1回では「アーキテクチャー」について考えました。
第1回を総括すると、「良いアーキテクチャーとは、自身が批判され更新されることをも組み込んだシステムを作り出せる者」となります。
第2回では「プロンプター」について考えました。
プロンプターとはテレビ番組で例えると、カンペのようなもの。
上からの指示を演者に伝えるものです。
第2回を総括すると、「正常さよりも優秀さを備えたプロンプターになれ」となります。
レセプターにアーキテクチャー書き換えの意欲が沸き立つような表現をメッセンジャーにさせます。
時代が変わればアーキテクチャーが設計したままでは対応しきれない部分があとあと出てくるのは当然の話です。それに対して「正常なプロンプター」だと正常なプログラムゆえに何も変えられない。
一方「優秀なプロンプター」ならば、システムの不具合を踏まえているのでレセプターを教育できる。
第3回では「メッセンジャー」について考えました。
メッセンジャーとはレセプターに伝達する者。
学校の先生やミュージシャンや政治家などが含まれます。
第3回を総括すると、「魂を乗せて発言せよ」となります。
メッセンジャーに必要なシステム上の3つの条件。
(1) プロンプターの指示を受け取れる
(2) レセプターが受信できる信号を送る
(3) プロンプターからの指示を疑える深い思考ができる
「民度を上げるにはどうすればいいか」というシリーズには共通のキーワードがある。
それは「システムを乗り越えよ」というものです。
メッセンジャーも同様。
システム内部ではなく、魂を乗せた発言をすることでレセプターを突き動かすことができる。
アーキテクチャーが作ったシステム内の、プロンプターが選んだ言葉ではなく、そこから飛び出した言葉を伝える。
これが「優秀なメッセンジャー」に必要です。
過去3回はこのような論考でした。
では「レセプター」について考えてみましょう。
■ 受信体は受信する準備をせよ
「レセプター」とは「受信体」のこと。
メッセージを受信する者を意味します。
「レセプター」に必要なことは、「メッセンジャー」のメッセージをしっかりと受け取ることです。
わかりやすい例を出します。
「メッセンジャー」の伝達手段がテレビ番組で、「レセプター」がテレビを持っていないと、そもそもメッセージが伝わりません。
「レセプター」がテレビを持っていたとしても、親が別の番組を見てたら「メッセンジャー」の番組を見ることができません。
「レセプター」が自分個人のテレビを持てたとしても、多チャンネル化していれば、「メッセンジャー」の番組を探し当てることができない。
ここで問題なのは3点。
(1) 受信できる環境を整えよ
(2) 受信するチャンスを潰すな
(3) 受信する能力を育てよ
それぞれ考えます。
(1) 受信できる環境を整えよ
「メッセンジャー」のメッセージを受け取る場が必要です。
「メッセンジャー」がメッセージを送っても、それを受信できる環境が無ければ「レセプター」は機能しません。
なので受信できる環境を構築することが重要です。
また、受信できる環境があるのならば、「レセプター」はそこにアクセスすることも必要です。
(2) 受信するチャンスを潰すな
受信する環境が整っていても、そこにアクセスするチャンスが潰されていれば意味がありません。
ですがメッセージを遮断する人物が存在する。
「レセプター」のため、という名目で、独自の判断で有害認定した情報を遮断する。
これらに対して批判し続ける必要があります。
(3) 受信する能力を育てよ
そしてこれが特に重要です。
受信する環境が整っていて、受信を邪魔する存在が居ないとしても、そもそも「レセプター」が「民度を上げるためのメッセージ」を選び取れなければ意味がありません。
様々な情報にさらされた時に、アーキテクチャーがシステムを超えて構築し、プロンプターがシステム改変の指示を出し、メッセンジャーが魂を乗せて発言したとしても、それを敏感にキャッチできなければ無駄になる。
システム枠内の、何も疑わないプロンプターが、ありきたりなメッセージを指示したとして、それをありがたがって受信するような「レセプター」ばかりでは、事態は何も変わりません。
つまり一番優先すべきなのはレセプターを教育することなのです。
■ 日本人の民度を上げるには「レセプター」を教育せよ
今一番重要とされているのが、「レセプター」の教育です。
なぜ重要なのか。
(1) 日本人民度上昇の構成であるアーキテクチャー、プロンプター、メッセンジャー。その予備軍であるレセプターを教育することで、良質なアーキテクチャー、プロンプター、メッセンジャーを作り上げることになる。
(2) 良質なレセプターが、愚鈍なアーキテクチャー、プロンプター、メッセンジャーを選別する。
つまり、民度の螺旋上昇を目指すために一番手っ取り早いのが「レセプター教育」なのです。
優秀なレセプターがやがて優秀なアーキテクチャーや優秀なプロンプターや優秀なメッセンジャーになる。
優秀なレセプターが、正常だが愚昧なアーキテクチャーや正常だが愚昧なプロンプターや正常だが愚昧なメッセンジャーを批判し排除できる。
レセプター教育に関して重大で、現状の閉塞感をそのまま現している大問題があります。
それは、「レセプター」を教育するのは誰かという問題です。
当然メッセンジャーがレセプターを教育するわけですが、従来のままでは現状を打破できないのは分かりきったことです。
前項での 「(2) 受信するチャンスを潰すな」を思い返していただきたい。
今までは、レセプターの受信チャンスを害悪でしかない道徳主義者が潰してきました。
だからこのままでは優秀なメッセンジャーが潰され、受信する環境を潰され続ける。
ではどうすればいいのか。
どうすれば「レセプター」を優秀なレセプターに教育することができるのだろうか。
それは「ソーシャルメディア」が担う。
■ ローレンス・レッシグの『CODE』により「法・規範・市場・コード」の行動原理に敏感であれ
確率論的に出会いの回数を上げるしかない。
大当りを引くには、試行回数を上げまくるしかない。
くだらない先生やくだらない親に縛り付けられ、延々とくだらないメッセージに晒される。
これほどの害悪はあるか。
そんなことより、膨大な量のメッセージに晒され、奇跡的に良質なメッセンジャーと出会い、運良くそれを受信できる能力があることに賭けるしかない。
ブログやSNSやツイッターに参入することで、多くのメッセージに晒される。
良質なアーキテクチャーが構築し、良質なプロンプターがシステム改変も見据えた指示を出し、良質なメッセンジャーが魂を乗せたメッセージを叫ぶのを、奇跡的にキャッチする。
その結果レセプターが教育されることだろう。
そのために絶対的に批判し反対することがある。
それは「コードによる行動規制」だ。
ローレンス・レッシグの『CODE』では、国民の行動を制限する方法が4つある、と書かれている。
その4つとは「法律」「ルール」「市場価格」そして「ソースコード」だ。
法律違反をしたくないので犯罪行動を制限される。
親から教わったルールなどにより行動が制限される。
市場価格が高くなることで、その物にアクセスできなくなる。
この3つは行動規制の中でも、比較的わかりやすい。
そして批判をすることで改変することも可能だ。
つまり国民の「自由」がまだ許されている。
嫌なら嫌と叫べるのだ。
だが「ソースコード」は違う。
例えば「検索エンジン」がいじられていたらどうか。
政府が規制したい単語がサーチエンジンに引っかからないように設定されているとしたらどうか。
社会システムを再構築させたくなる単語が検索できず、当たり障りの無い単語ばかりヒットする。
他にも、テレビ番組の放送コードがある。
わかりやすく書くと、批判できるできない以前に、批判対象にアクセスできないコードを書かれると、システムを改良できない、ということだ。
SNSやツイッターのコードをいじる法律が出来てしまったら我々の敗北だ。
もはや日本の民度を上げることはできない。
少しずつ、着実に、はるか遠くの外堀から埋めるように、我々に気付かれないように、様々な法案が可決している。
一刻の猶予も許されない。
日本を良い国にしたいのであれば、優秀で極悪なアーキテクチャーの言動に対して敏感になる必要がある。
だがこのシリーズの根底にある大問題がある。
果たして誰が優秀で極悪なアーキテクチャーを監視し、批判し、行動を止めることができるのだろうか
■ レセプターが世界を変える
まとめます。
4つの構成である「アーキテクチャー・プロンプター・メッセンジャー・レセプター」。
この中で早急に手を付けなければならないのは「レセプター」です。
レセプターを育てることで、良質なアーキテクチャー。良質なプロンプター。良質なメッセンジャーになれる。
レセプターを教育し、醜悪なシステムを改変しなければならない。
そのために唯一の教育チャンスであるソーシャルメディアの場を無くしてはならない。
だからこそ我々は、ソーシャルメディアを制限する人たちに立ち向かわなければならない。
前項まではこういったことを論じてきました。
そこで、ゼロ年代を代表する思考法を用いて、これまでの論考を閉じたい。
それは「レセプター同士のバトルロワイヤル」です。
誰が「機能的に優秀だが融通のきかないダメなレセプター」か「柔軟性がある良質なレセプター」かわからない。
誰が「少ない情報しか持たないが偉そうに見えるレセプター」か「膨大な情報にさらされ良質なメッセージを受け取ったレセプター」かわからない。
そうである以上、レセプター同士で戦わせるよりほかありません。
バトルフィールドは用意されている。
そこで戦い抜いた者が良質なレセプターだ。
彼は、愚昧だが人気のあるメッセンジャーを徹底的に批判し、何も読み取れず指示も出せない愚鈍なプロンプターを排除し、優秀で極悪で日本を地の底に落とすアーキテクチャーのプログラムの不備を世間に知らしめる。
その「彼」とはあなたのことだ。
この「民度を上げるにはどうすればいいか考える」シリーズを通して読んだあなたこそが、良質なレセプター足りえる。
あなたならば、ソーシャルメディアのコード規制の危険性について十分知っている。
あなたならば、魂が乗ったメッセージも受信できる。
あなたならば、プロンプターが指示した部分はもちろん、システム上指示できない部分にまで思考を及ばすことができる。
あなたならば、この醜悪なシステムを書き換えることができる。
このシリーズを読むことが出来、メッセージが受信できたのであれば、あなたこそが良質なレセプターである何よりの証拠だ。
今すぐ良質なメッセンジャー、良質なプロンプター、良質なアーキテクチャーとして行動せよ。
いや、言い直そう。
良質なレセプターであるあなたは、すでに、常に、良質なメッセンジャーとして、良質なプロンプターとして、良質なアーキテクチャーとして、振る舞わざるを得ない。
「民度を上げるにはどうすればいいか考える」全4回のシリーズはこれで終了です。
願わくば、この全4回シリーズを書き換えるほどの批判を。
民度を上げるにはどうすればいいか考える 第4回は「レセプターについて考える」です。
社会の構成をアーキテクチャー・プロンプター・メッセンジャー・レセプターの4つに分類し、それぞれ考察していくシリーズ。
第1回は「アーキテクチャーについて考える」でした。
第2回は「プロンプターについて考える」でした。
第3回は「メッセンジャーについて考える」でした。
それぞれ単独でも読めるように書いていくつもりですが、シリーズを通して読むことでさらに社会の構成が深く理解できるものになる予定です。
では論考を始める前に、アーキテクチャーとプロンプターとメッセンジャーの振り返りをしましょうか。
■ アーキテクチャー、プロンプター、メッセンジャーとレセプターの連関
日本人の民度(国民としての質。他国と比べた時の頭の良さ、幸福度、対応力などなど)を上げるにはどうすればいいのか。
そのために僕は日本人を4つのカテゴリに分類しました。その4つは円環になっていて、それぞれを少しずつ向上させることで、すべてが螺旋のように民度が上がることが想像できます。
その4つとは、
アーキテクチャー(設計者)
プロンプター(設計図を伝達者に教える者)
メッセンジャー(伝達者)
レセプター(受信者)
です。
第1回では「アーキテクチャー」について考えました。
第1回を総括すると、「良いアーキテクチャーとは、自身が批判され更新されることをも組み込んだシステムを作り出せる者」となります。
第2回では「プロンプター」について考えました。
プロンプターとはテレビ番組で例えると、カンペのようなもの。
上からの指示を演者に伝えるものです。
第2回を総括すると、「正常さよりも優秀さを備えたプロンプターになれ」となります。
レセプターにアーキテクチャー書き換えの意欲が沸き立つような表現をメッセンジャーにさせます。
時代が変わればアーキテクチャーが設計したままでは対応しきれない部分があとあと出てくるのは当然の話です。それに対して「正常なプロンプター」だと正常なプログラムゆえに何も変えられない。
一方「優秀なプロンプター」ならば、システムの不具合を踏まえているのでレセプターを教育できる。
第3回では「メッセンジャー」について考えました。
メッセンジャーとはレセプターに伝達する者。
学校の先生やミュージシャンや政治家などが含まれます。
第3回を総括すると、「魂を乗せて発言せよ」となります。
メッセンジャーに必要なシステム上の3つの条件。
(1) プロンプターの指示を受け取れる
(2) レセプターが受信できる信号を送る
(3) プロンプターからの指示を疑える深い思考ができる
「民度を上げるにはどうすればいいか」というシリーズには共通のキーワードがある。
それは「システムを乗り越えよ」というものです。
メッセンジャーも同様。
システム内部ではなく、魂を乗せた発言をすることでレセプターを突き動かすことができる。
アーキテクチャーが作ったシステム内の、プロンプターが選んだ言葉ではなく、そこから飛び出した言葉を伝える。
これが「優秀なメッセンジャー」に必要です。
過去3回はこのような論考でした。
では「レセプター」について考えてみましょう。
■ 受信体は受信する準備をせよ
「レセプター」とは「受信体」のこと。
メッセージを受信する者を意味します。
「レセプター」に必要なことは、「メッセンジャー」のメッセージをしっかりと受け取ることです。
わかりやすい例を出します。
「メッセンジャー」の伝達手段がテレビ番組で、「レセプター」がテレビを持っていないと、そもそもメッセージが伝わりません。
「レセプター」がテレビを持っていたとしても、親が別の番組を見てたら「メッセンジャー」の番組を見ることができません。
「レセプター」が自分個人のテレビを持てたとしても、多チャンネル化していれば、「メッセンジャー」の番組を探し当てることができない。
ここで問題なのは3点。
(1) 受信できる環境を整えよ
(2) 受信するチャンスを潰すな
(3) 受信する能力を育てよ
それぞれ考えます。
(1) 受信できる環境を整えよ
「メッセンジャー」のメッセージを受け取る場が必要です。
「メッセンジャー」がメッセージを送っても、それを受信できる環境が無ければ「レセプター」は機能しません。
なので受信できる環境を構築することが重要です。
また、受信できる環境があるのならば、「レセプター」はそこにアクセスすることも必要です。
(2) 受信するチャンスを潰すな
受信する環境が整っていても、そこにアクセスするチャンスが潰されていれば意味がありません。
ですがメッセージを遮断する人物が存在する。
「レセプター」のため、という名目で、独自の判断で有害認定した情報を遮断する。
これらに対して批判し続ける必要があります。
(3) 受信する能力を育てよ
そしてこれが特に重要です。
受信する環境が整っていて、受信を邪魔する存在が居ないとしても、そもそも「レセプター」が「民度を上げるためのメッセージ」を選び取れなければ意味がありません。
様々な情報にさらされた時に、アーキテクチャーがシステムを超えて構築し、プロンプターがシステム改変の指示を出し、メッセンジャーが魂を乗せて発言したとしても、それを敏感にキャッチできなければ無駄になる。
システム枠内の、何も疑わないプロンプターが、ありきたりなメッセージを指示したとして、それをありがたがって受信するような「レセプター」ばかりでは、事態は何も変わりません。
つまり一番優先すべきなのはレセプターを教育することなのです。
■ 日本人の民度を上げるには「レセプター」を教育せよ
今一番重要とされているのが、「レセプター」の教育です。
なぜ重要なのか。
(1) 日本人民度上昇の構成であるアーキテクチャー、プロンプター、メッセンジャー。その予備軍であるレセプターを教育することで、良質なアーキテクチャー、プロンプター、メッセンジャーを作り上げることになる。
(2) 良質なレセプターが、愚鈍なアーキテクチャー、プロンプター、メッセンジャーを選別する。
つまり、民度の螺旋上昇を目指すために一番手っ取り早いのが「レセプター教育」なのです。
優秀なレセプターがやがて優秀なアーキテクチャーや優秀なプロンプターや優秀なメッセンジャーになる。
優秀なレセプターが、正常だが愚昧なアーキテクチャーや正常だが愚昧なプロンプターや正常だが愚昧なメッセンジャーを批判し排除できる。
レセプター教育に関して重大で、現状の閉塞感をそのまま現している大問題があります。
それは、「レセプター」を教育するのは誰かという問題です。
当然メッセンジャーがレセプターを教育するわけですが、従来のままでは現状を打破できないのは分かりきったことです。
前項での 「(2) 受信するチャンスを潰すな」を思い返していただきたい。
今までは、レセプターの受信チャンスを害悪でしかない道徳主義者が潰してきました。
だからこのままでは優秀なメッセンジャーが潰され、受信する環境を潰され続ける。
ではどうすればいいのか。
どうすれば「レセプター」を優秀なレセプターに教育することができるのだろうか。
それは「ソーシャルメディア」が担う。
■ ローレンス・レッシグの『CODE』により「法・規範・市場・コード」の行動原理に敏感であれ
確率論的に出会いの回数を上げるしかない。
大当りを引くには、試行回数を上げまくるしかない。
くだらない先生やくだらない親に縛り付けられ、延々とくだらないメッセージに晒される。
これほどの害悪はあるか。
そんなことより、膨大な量のメッセージに晒され、奇跡的に良質なメッセンジャーと出会い、運良くそれを受信できる能力があることに賭けるしかない。
ブログやSNSやツイッターに参入することで、多くのメッセージに晒される。
良質なアーキテクチャーが構築し、良質なプロンプターがシステム改変も見据えた指示を出し、良質なメッセンジャーが魂を乗せたメッセージを叫ぶのを、奇跡的にキャッチする。
その結果レセプターが教育されることだろう。
そのために絶対的に批判し反対することがある。
それは「コードによる行動規制」だ。
ローレンス・レッシグの『CODE』では、国民の行動を制限する方法が4つある、と書かれている。
その4つとは「法律」「ルール」「市場価格」そして「ソースコード」だ。
法律違反をしたくないので犯罪行動を制限される。
親から教わったルールなどにより行動が制限される。
市場価格が高くなることで、その物にアクセスできなくなる。
この3つは行動規制の中でも、比較的わかりやすい。
そして批判をすることで改変することも可能だ。
つまり国民の「自由」がまだ許されている。
嫌なら嫌と叫べるのだ。
だが「ソースコード」は違う。
例えば「検索エンジン」がいじられていたらどうか。
政府が規制したい単語がサーチエンジンに引っかからないように設定されているとしたらどうか。
社会システムを再構築させたくなる単語が検索できず、当たり障りの無い単語ばかりヒットする。
他にも、テレビ番組の放送コードがある。
わかりやすく書くと、批判できるできない以前に、批判対象にアクセスできないコードを書かれると、システムを改良できない、ということだ。
SNSやツイッターのコードをいじる法律が出来てしまったら我々の敗北だ。
もはや日本の民度を上げることはできない。
少しずつ、着実に、はるか遠くの外堀から埋めるように、我々に気付かれないように、様々な法案が可決している。
一刻の猶予も許されない。
日本を良い国にしたいのであれば、優秀で極悪なアーキテクチャーの言動に対して敏感になる必要がある。
だがこのシリーズの根底にある大問題がある。
果たして誰が優秀で極悪なアーキテクチャーを監視し、批判し、行動を止めることができるのだろうか
■ レセプターが世界を変える
まとめます。
4つの構成である「アーキテクチャー・プロンプター・メッセンジャー・レセプター」。
この中で早急に手を付けなければならないのは「レセプター」です。
レセプターを育てることで、良質なアーキテクチャー。良質なプロンプター。良質なメッセンジャーになれる。
レセプターを教育し、醜悪なシステムを改変しなければならない。
そのために唯一の教育チャンスであるソーシャルメディアの場を無くしてはならない。
だからこそ我々は、ソーシャルメディアを制限する人たちに立ち向かわなければならない。
前項まではこういったことを論じてきました。
そこで、ゼロ年代を代表する思考法を用いて、これまでの論考を閉じたい。
それは「レセプター同士のバトルロワイヤル」です。
誰が「機能的に優秀だが融通のきかないダメなレセプター」か「柔軟性がある良質なレセプター」かわからない。
誰が「少ない情報しか持たないが偉そうに見えるレセプター」か「膨大な情報にさらされ良質なメッセージを受け取ったレセプター」かわからない。
そうである以上、レセプター同士で戦わせるよりほかありません。
バトルフィールドは用意されている。
そこで戦い抜いた者が良質なレセプターだ。
彼は、愚昧だが人気のあるメッセンジャーを徹底的に批判し、何も読み取れず指示も出せない愚鈍なプロンプターを排除し、優秀で極悪で日本を地の底に落とすアーキテクチャーのプログラムの不備を世間に知らしめる。
その「彼」とはあなたのことだ。
この「民度を上げるにはどうすればいいか考える」シリーズを通して読んだあなたこそが、良質なレセプター足りえる。
あなたならば、ソーシャルメディアのコード規制の危険性について十分知っている。
あなたならば、魂が乗ったメッセージも受信できる。
あなたならば、プロンプターが指示した部分はもちろん、システム上指示できない部分にまで思考を及ばすことができる。
あなたならば、この醜悪なシステムを書き換えることができる。
このシリーズを読むことが出来、メッセージが受信できたのであれば、あなたこそが良質なレセプターである何よりの証拠だ。
今すぐ良質なメッセンジャー、良質なプロンプター、良質なアーキテクチャーとして行動せよ。
いや、言い直そう。
良質なレセプターであるあなたは、すでに、常に、良質なメッセンジャーとして、良質なプロンプターとして、良質なアーキテクチャーとして、振る舞わざるを得ない。
「民度を上げるにはどうすればいいか考える」全4回のシリーズはこれで終了です。
願わくば、この全4回シリーズを書き換えるほどの批判を。
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« 『殺された側の倫理』
ももクロと戦闘美少女 »
この記事に対するコメント
システム
楽しく読ませていただいています。この記事にコメントすべきかどうか迷ったのですが、少し思ったことを。
今、『県庁おもてなし課』という有川浩さんの小説を読んでます。高知県庁が舞台で、行政の凝り固まった考え、のろい動きの内実がリアルに描かれています。
同じ公務員として、まさにこういう感じだ、と思うことが多かったのですが、特に、
公務員と言う存在が、堕落することを前提としたシステムにいれこまれる人間だ、というような表現があり、グッときました。
それは稟議制や年功序列という規則・慣習だけでなく、彼らの融通の利かなさを批判しながらも逸脱を許さない世間の目、という圧力も含んだ、社会システムが生み出した「状態」なんだ、と言うことだと思います。
自分の居場所に違和感を感じること自体、生物として異常なんだ、と、鬱や自殺の絶えない現代日本人を表現した学者がいるそうです。
自分の居場所に、そして自分の能力に疑問を持ってしまう人間は、確かに生物として不完全なのかもしれませんが、だからこそ発展はありますね。
そしてそれは全てのレセプターに課せられた役割なんでしょう。
乱筆・乱文、失礼しました。
URL | AKA #-
2011/09/15 21:57 * 編集 *
Re: システム
AKAさんへコメントありがとうございます。
ついにシリーズ完結できました。
全部読んでいただきありがとうございます。
> それは稟議制や年功序列という規則・慣習だけでなく、彼らの融通の利かなさを批判しながらも逸脱を許さない世間の目、という圧力も含んだ、社会システムが生み出した「状態」なんだ、と言うことだと思います。
日本人は特に、「言うだけ言って満足する」という傾向にあるように思えます。
例えばデモ。
デモをするだけでは何も起こりません。
そしてデモが起こることぐらいは想定内です。
言うだけ言って満足し、現状が結局何も変わらない。
つまり「正常なシステム」のまま、ということですね。
> 自分の居場所に、そして自分の能力に疑問を持ってしまう人間は、確かに生物として不完全なのかもしれませんが、だからこそ発展はありますね。
> そしてそれは全てのレセプターに課せられた役割なんでしょう。
ネオテニー説というのがあります。
生物として未熟だからこそ、コミュニケーションや科学が発展した、というものです。
居場所や能力に疑問を持つことで、さらなる高みを目指す。
現状に違和感を持つことは優秀なレセプターにとって大事なことですね。
URL | さかもと #tHX44QXM
2011/09/18 01:14 * 編集 *
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